iemiru コラム vol.133
【前編】最高の家づくりは図面の段階で決まる!?一生後悔しない一軒家の間取りを考えるために絶対やっておきたいこと
理想の間取りを考えるためにまず必要なこと
一軒家を建てると決めたら、やはり理想にかなう家を建てたいものですね。注文住宅で家を建てるメリットは、間取りをはじめ、設備、コンセントや照明の位置といった細部まで自分の理想の家が建てられるというところです。
しかし、このメリットが逆に理想の家づくりを難しくしてしまうこともあります。実際に、一軒家を注文住宅で建てた人の体験談を見てみると、理想の住宅とはいいがたいものになってしまった失敗談を目にすることもあります。
理想の一軒家を建てるためには、まずは自分の理想の間取りを「家族構成」、「ライフスタイル」、「住まいで大切にしたいこと」を考慮した上で見直し、決めることが大切になります。
誰にとっても理想!という家は存在しないことを知ろう
理想的な家の難しいところは、家に対する理想が人それぞれ違うことです。Aさんにとっての理想が、Bさんにとっても理想であるとは限りません。これは家族間でも同じです。家族がいる場合には、家族間で家に対する理想をすり合わせしておくことが大切になります。
理想の家を言葉で表しにくい場合には、自分の理想に近い住宅の写真や画像を活用して話し合うとよいでしょう。写真や画像といった目で見て理解しやすいものがあると、お互いの理想の家が理解しやすくなり話し合いもスムーズに進みます。
家族全員のライフスタイルをもう一度見直そう
暮らしやすい理想の家を建てるためには、家族のライフスタイルに応じた間取りにすることも大切です。
「夫婦共働きで家事の負担を軽減したい」場合には家事の負担が軽減できるよう家事動線を考慮した水回りにしたり、「夜遅く帰宅することが多い」場合には寝室に生活音が聞こえにくい間取りにするなど、間取りを決める際には、家族のライフスタイルも考慮した上で決めるとよいでしょう。
10年後、20年後のライフスタイルも想像してみよう
家は建てたところがスタートで、その後何十年と暮らしていくことになります。そして、どんな人の暮らしも時の経過により、齢をとったり、家族構成が変わったりといったなんらかの変化があります。
例えば、今は夫婦二人でも、その後子供が生まれて家族が増えることもあります。また、夫婦と子供二人の四人で暮らしていたとしても、やがて子供が成人して独立してしまうこともあります。
さらに、10年、20年と時が過ぎると、当然ですが齢も取ります。家族構成が変わると必要な部屋数が変わりますし、加齢により身体能力が衰えてくると負担に感じることが増えてしまうこともあります。
一軒家の間取りを考えるときには、今の暮らしにおいてだけ満足できるものではなく、10年後、20年後といった先のライフスタイルまでも考慮するとより満足度の高いものになります。
家に何を一番求めるかを具体的にしておこう
家の間取りは、その家でどんな暮らしをしたいのかによって変わってきます。例えば、家族とのコミュニケーションを重視したい場合にはオープンスペースを多くした間取りがおすすめになりますし、個人のプライベート空間を充実させたい場合には個々の部屋の間取りを広めに確保した間取りがおすすめになります。
このように、理想の間取りはその家でどんな暮らしをしたいのかにより変わります。これから建てようとする一軒家で「どんな暮らしがしたいのか?」、「何を最も優先したいのか?」を明らかにした上で間取りを考えてみましょう。
間取りを考える前に知っておきたいこと
間取り図によく使われる記号や言葉の意味を知っておくと、間取りに関する情報を得やすくなったり、設計者に意思を伝えやすくなります。
間取り図で使われる記号
■LDK
Lはリビング(居間)、Dはダイニング(食堂)、Kはキッチン(台所)の略字です。LDKの前に数字が記載されていると、その数字の部屋数+LDKの間取りであることを表しています。
例えば、3LDKと表示されている場合、L(居間)、D(食堂)、K(台所)に加えて3部屋あるという意味になります。また、LDK30畳と表示されている場合には、L(居間)、D(食堂)、K(台所)を合わせて30畳の広さになるという意味になります。
■S・F
Sはサービスルーム、Fはフリールームの略字です。サービスルームもフリールームも同じものを示す言葉で、収納などに適した部屋を表しています。
サービスルームとフリールームは採光や換気が建築基準法の居室の要件を満たしていないため居室としては使えませんが、ある程度の広さがある場合には様々な用途に使えて便利です。
■WCL・CL
WCLは、ウォークインクローゼットの略字になります。ウォークインクローゼットは、中を歩ける程度の広さがある衣類などを収納するスペースです。
CLは、クローゼットの略字になります。ウォークインクローゼットよりも狭い衣類収納スペースです。ウォークインクローゼットとは違い、中に入り歩く広さはありません。
■SIC
SICは、シューズインクロークの略字になります。ベビーカーのような大きめのものも収納できる広めの靴箱です。
■SB
SBは、シューズボックスの略字になります。シューズボックスは靴箱のことです。
建蔽率、容積率
建蔽率と容積率により、その土地に建てられる建物の大きさは左右されます。この2つは土地計画法の用途地域ごとに決められていますから、土地を購入する場合にはその土地に許可されている建蔽率と容積率を必ず確認しておきましょう。
■建蔽率
建蔽率は、敷地面積に対する建築物の面積の割合になります。例えば、建蔽率が60%なら、敷地面積に対して60%以内の建物を建てられるということになります。100平方メートルの敷地なら、敷地面積が60平方メートルまでの建物が建てられます。
■容積率
容積率は、敷地面積に対する延床面積の割合になります。例えば、容積率が100%の敷地に2階建ての建物を建てる場合、敷地面積が100平方メートルなら1階と2階の延床面積を足して最大で100平方メートルの建物が建てられるということになります。
北側斜線、道路斜線
北側斜線、道路斜線が適用される土地の場合には、建てられる建物の高さが制限されることがあります。この2つの斜線制限で制限される高さは都市計画法の用途地域により異なります。
■北側斜線
北側斜線とは、北側隣地にある先住住宅の日当たりに配慮した建物の高さ制限です。北側斜線が適用される建物は、北側隣地の建物に太陽光が当たるように建物に一定の勾配を付ける必要があります。
■道路斜線
道路斜線とは、道路への採光や通風を確保するために設けられた建物の高さ制限です。道路斜線が適用される建物は、道路へ採光や通風が確保できるように建物に一定の勾配を付ける必要があります。
一戸建ての間取りはどのくらいの広さが適当なの?
一戸建ての間取りは、自分で自由決められるのがメリットです。ただ、その分どんな間取りにしようかと迷うことが多いのも事実です。 快適に過ごせる間取りはどんな暮らしをしたいかによっても異なりますが、家族構成に応じた間取りを考慮しておくことも大切になります。
ご夫婦二人でのお家は2LDK~
家族構成がご夫婦二人である場には、2LDK程度の間取りが暮らしやすいです。2LDKは、リビング、ダイニング、キッチンに加えて2部屋の間取りになります。 ご夫婦二人でくつろげる空間に加えて、それぞれの個室もまかなえる間取りになります。荷物が多い場合にはサービスルームを設けてみると便利です。
一人っ子のお子さんがいるお家は3LDK~
一人っ子のお子さんがいるお家なら、3LDK程度の間取りがおすすめです。3LDKなら、リビング、ダイニング、キッチンに加えて3部屋の間取りになります。ご夫婦はもちろんお子さんの個室もしっかりと確保できます。
また、将来、お子さんが増える予定がある場合には、お子さん用の個室を広めに確保しておくとよいでしょう。お子さんが増えた場合には、後から仕切って分割して子供部屋を増やせます。
お子さんがお2人いるお家は3LDK~4LDK
お子さんがお2人いる家族構成なら、3LDK~4LDK程度の間取りがおすすめです。
リビング、ダイニング、キッチンに加えて3~4部屋の間取りになります。
4LDKなら家族それぞれの個室を確保できますし、3LDKの場合には3部屋のうち1部屋を広めに取り仕切れるようにしておくと家族構成の増減に応じて調整できます。
お子さんが多い大家族の場合は4LDK~5LDK
お子さんが多い大家族なら、部屋数の多い4LDK~5LDKがおすすめです。リビング、ダイニング、キッチンに加えて4~5部屋の間取りになります。
家族が多い場合には、住む人の数も多いですが荷物も多くなりがちです。部屋数を家族構成に合わせて多めに設けておくと、片付けもしやすく快適に過ごせます。
二世帯住宅の場合は、共有部分と専有部分をしっかり話し合って決めよう
二世帯住宅を建ててよかったと思えるためには、共有部分と専有部分をどのように設定するかがポイントになります。二世帯住宅には大きく分けて、生活空間の一部を共有するタイプ、完全に生活空間を分離するタイプ、寝室以外は共有するタイプがあります。
どの場合も二世帯住宅ではありますが、その住まい方、二世帯間の交流の頻度はかなり違ってきます。二世帯住宅で失敗する大きな原因は、「プライバシーの問題」だと言われています。
プライバシーに対する考え方は人それぞれですから、二世帯住宅を建てる前にはお互いにどんな交流をしながら暮らしていきたいのかをしっかりと話し合って決めておくことが大切になります。
プラス一部屋用意するとライフスタイルの変化にも余裕をもって対応できる
部屋数を増やすと建設費もかかることになりますが、一部屋余分に用意しておくと何かと便利です。 例えば、「年老いた両親が同居することになった」、「子どもが生まれた」など家族が増えた場合にも対応できますし、「書斎が欲しくなった」、「趣味の部屋が欲しくなった」などライフスタイルの変化に応じた希望を叶える部屋にすることもできます。
楽しく暮らすために取り入れたい間取りのアイディア例
シンプルな間取りもいいですが、ちょっとしたアイディアを加えることでより快適に楽しく暮らせる間取りになります。いくつかご紹介していますから、参考にしてみてください。
会話を楽しみながら作業できる対面キッチン
対面キッチンはお洒落でいて解放感があるため、今人気のキッチンです。
キッチンを対面キッチンにすると、リビングの様子が把握できる、家族とコミュニケーションを取りながら台所仕事ができるといったメリットがあります。小さいお子さんがいる家庭や家族とのコミュニケーションを密に取りたい方に人気です。
対面キッチンには大きく分けて2つ、「カウンター式」のものと「フルオープン型」のものがあります。カウンター式は手元をカウンターで隠せるメリットが、フルオープン型は作業スペースが広く取れるメリットがあります。
来客スペースや部屋のアクセントにもなるリビング隣接の畳スペース
畳の個室は不要だけれど、畳を少しだけ置きたい方におすすめなのが畳スペースです。リビングや来客スペースに設置するとちょっとした部屋のアクセントにもなり、お洒落でくつろげる空間になります。
また、畳スペースは小さなお子さんがいる家庭にもおすすめです。畳には吸音効果があるためお子さんが少々バタバタしても安心ですし、畳は程よいクッション性がありますから転んだりしてもケガの心配がありません。
玄関がすっきり!ベビーカーや三輪車も入るウォークイン玄関収納
玄関をすっきりと綺麗に保ちたいと考えているのなら、玄関脇にウォークイン収納の設置を検討してみてください。玄関脇のウォークイン収納は収納力がある上に、外出に必要なものを簡単に取り出せるためとても便利です。
靴が多い方はもちろん、アウトドアグッズやベビーカーや三輪車、自転車など外出前に取り出したいものが多い方にはおすすめです。
もう朝も混雑しない!洗面コーナーは各階に一つずつ
「家族が多くて毎日朝の洗面台の取り合いが大変」という場合には、洗面コーナーを各階に設置することを検討してみてはいかがでしょうか。
洗面コーナーが少なくて毎朝争奪戦になっているとストレスが溜まりますし、空くまで待たなければなりませんから時間のロスも発生します。各階に洗面コーナーを設置すれば、朝の準備もノーストレスで快適に過ごせます。
子供部屋は成長に合わせて部屋数を変えられる間仕切りタイプ
子供の人数が増える予定であったり、小さな子供の兄弟姉妹がいて将来個室を与えたいと考えているなら、間仕切りで部屋を分割して部屋数を変えられる間仕切りタイプにしてみるのもおすすめです。
子供部屋をこのタイプにしておくと、1つの大きめの子供部屋としても使えますし、子供の成長などで部屋数が必要になったときにも分割して対応できます。
また、将来子供が独立して部屋数を減らして広く使いたいと思った時にも間取りを変えられます。間仕切りタイプの部屋は、ライフスタイルの変化に応じて部屋数を調整できるところが魅力です。
水回り設備をまとめて家事動線をスマートに!
キッチンや浴室、トイレなどの水回りの設備は、家事動線を考えてなるべくまとめて設置するのがおすすめです。まとめて設置すると家事の効率がよくなるだけではなく、水回りの設置費用や点検にかかる費用も節約することができます。
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