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iemiru コラム vol.136

外観は同じに見える建売住宅も実は中が全然違う!?値段に惑わされない正しい建売住宅の選び方

見た目はそっくり…なんで値段が違うの?

見た目がそっくりな住宅が建ち並ぶ…そんな光景を見たことはありませんか?建売住宅は建築した住宅会社によって標準化されていますので、「見た目」は似ています。また内装も瓜二つ…ということもあります。 外観や内装は「そっくり」な建売住宅ですが、何もかもが同じではありません。住宅の持つ性能や住宅会社による保証内容、また誰から購入するかによって、その値段が全く異なってきます。自動車を買う時のことをイメージすれば分かりやすいと思います。見た目はほぼ同じですが、グレードやオプションの有無によって値段は違いますよね。 今回は、正しい建売住宅の選び方を解説していきます。

値段に惑わされない正しい建売住宅の選び方

そもそもなぜ建売住宅は値段が安いのでしょうか?様々な理由がありますので一つずつ説明していきます。

標準化して建設コストを抑えている

ここは注文住宅との比較が分かりやすいでしょう。建売住宅は外観や内装を標準化する ことで、大量生産が可能となり建設コストを抑えることができます。一方注文住宅は同じ ものが二つとありませんので、どうしてもコスト面では割高になってしまいます。

内部構造でコストカットしている

建売住宅は「外観や内装」はそっくりですが、それは「目に見える部分」です。実は目に見えない部分に違いがあります。例えば柱の太さや材質、断熱材の厚みや材質などです。見た目は同じですが、内部構造は一棟毎に違いますので、使用する資材にグレード差をつけることでコストカットできます。

別途オプション工事が必須

建売住宅の値段は「家本体のみ」の場合があります。この場合、照明器具やカーテンはついていません。もちろんエアコンもありません。それらをつけようと思ったら別途自身がお金を出して工事が必要になります。いずれも生活する上で必要な設備なのでつけなくてはなりません。「家本体の値段は安いが、後からお金がかかる」のです。

内部構造を確認する方法は?

では目に見えない内部構造はどのように確認すればいいでしょうか?ここでは建物仕様書を確認する方法と、内覧時に注意する点について解説します。

「建物仕様書」で材質を確認しよう

住宅会社では「建物仕様書」を作成しています。建物仕様書には、建物の構造や使用した材料、設備等が表示されていますのでまずそれを確認してください。特に基礎や断熱材、防水関係は目で見ることができないポイントです。建物仕様書をホームページで公開している住宅会社もありますので、事前に気になる点を調べておくのもよいでしょう。

内覧会で床下をのぞいてみよう

次に内覧では床下をのぞいてください。建物仕様書では基礎や床の仕様も確認できますが、自分の目でも基礎の作り込み(厚みや高さ)、床の構造材など直接見てください。ただ、床下は暗いので内覧会へ行く際には懐中電灯を持参するようにしましょう。住宅会社担当者からも家づくりに詳しい人だと思われるかもしれませんね。

住宅の成績表「住宅性能評価書」とは?

建売住宅は見た目が同じでも、「耐震性能」や「耐火性能」などその性能には一棟毎に差があります。そして、目視や建物仕様書からそれを判断することは困難です。そこで「住宅性能評価書」が役立ちます。「住宅性能評価書」は国が認定した調査員が住宅の性能を10項目で評価した記録であり、住宅の成績表とも言えます。住宅会社ではなく「国が認定した調査員(=第三者)」が客観的に評価しているのがポイントです。この10項目の中には耐震・耐火性能に関する事項もあります。

2種類の評価書を取得している物件がおすすめ

住宅性能評価には「①設計住宅性能評価書」と「②建設住宅性能評価書」があります。①は設計段階の評価、②は施工段階・完成段階の現場検査を経た評価になります。この2種類の住宅性能評価書を取得している物件がおすすめです。また建売住宅の売買契約書に「住宅性能評価書」を添付すると、住宅性能評価書に記載された内容で契約したものとみなされます(住宅会社の責任が大きくなる)。地震保険料や住宅ローン金利の割引を受けられることもあります。

10年後もアフターサービスしてくれるか確認しよう

建売住宅に限った話ではありませんが、住宅は購入後何十年も使用しますので、購入後のアフターサービス体制(保証内容)が気になります。購入前に保証内容を確認することで安心度がアップします。 まず、購入後10年間は法律により住宅会社には保証義務があります。少し難しいですが「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」と言い住宅の主要構造躯体に10年間の保証が義務付けられています。必ず書面で確認するようにしてください。 また上記の「瑕疵担保責任」により義務付けられた10年保証以外に、独自の保証サービス(20年保証など)を実施している住宅会社もあります。住宅会社独自の保証サービスがあると安心度がアップします。さらに購入後メンテナンスについても確認してください。有償無償を含め、住宅の価値を維持する意味でもメンテナンスは必須です。

購入方法を吟味しよう

建売住宅は購入方法が違うと、まったく同じ仕様の建物でも値段が異なってきます。具体的には「誰から購入するか」で異なります。不動産会社の仲介で購入すると「仲介手数料」が発生します。仲介手数料は下記の式で簡易計算できます。 「仲介手数料(税抜) = 売買価格 ×3% + 6万円」 例えば、1000万円の物件であれば36万円、2000万円の物件では66万円です。さらに消費税が加算されますので、大きな金額と言えるでしょう。一方、建築した住宅会社から直接購入することができれば、この「仲介手数料」はかからないため購入費用を抑えることができます。

格安物件を買う際はオプション工事代も予算に入れよう

また、建売住宅の中には「格安」と思われる物件もあります。格安物件は価格を安くするため「家本体」以外のものをオプション工事としている場合があります。格安物件を買う際はオプション工事代も予算に入れ、内覧や商談時にはオプション価格を含めて確認するようにしてください。 諸費用もできるだけ節約しましょう。諸費用にも様々あり登録免許税や印紙税等は節約できません。大きな金額の節約という面では「火災保険」や「住宅ローン代行手数料」などが挙げられます。「火災保険」は補償内容や払込方式、相見積もりをすることで節約できます。また「住宅ローン代行手数料」は自らが金融機関で手続きをすれば支払う必要はありません。

購入申込書に購入希望額を書くと価格交渉できる

最後に購入申込書の記入にあたってのポイントを説明します。購入申込書は売買契約書と異なり法的な根拠はなく、あくまで売主に対して「購入したいという意思表示」をするものです。そして購入申込書には「購入希望額」を記載する欄があります。そこに金額を記載してから、いよいよ売主と価格交渉がスタートします。最初の購入希望額は慎重に検討する必要があります。売主にも売却希望額がありますので、あまりにも低い金額を提示すると相手にされない可能性もあります。

優良な建売住宅を購入するために

建売住宅の見えないところは書面で確認しよう

建売住宅は外観や内装は同じように見えますが、住宅の持つ性能は、隣接して建っている建物であっても、一棟毎に違っているものです。もちろん建売住宅を選ぶ時には外観や内装も重要な要素ですが、耐震・耐火・断熱等の住宅性能、住宅会社による保証内容、販売形態による仲介手数料の有無等の要素も重要です。 建売住宅の見えないところは書面で確認して、また内覧会等の機会を活用して目視確認や担当者に確認をしましょう。 目に見えるところも目に見えない内部構造もしっかり確認し、理想の家探しを楽しんでください。 

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