iemiru コラム vol.144
ストレスフリーな生活のためには住宅の防音対策が必須!今すぐできる防音対策もご紹介します。
住宅に関するトラブルの多くは、騒音問題だといわれています。マンションのような集合住宅だけでなく、密集した戸建て住宅にも、騒音の問題は起こりえます。
しかし、防音対策をするにもどこから手をつければいいか迷うことも多いと思います。そこで、ここでは防音に関する種類や具体的な対策などを紹介します。この記事を参考に、防音対策をする場所を見極め、適切な処置を施してください。
住宅の防音性は生活する上でとても重要
騒音は生活のストレスとなる
防音性の低い住宅を選ぶと、予期せぬ騒音トラブルに巻き込まれてしまう可能性があります。例えば、住宅の周辺に幹線道路や駅などがある場合、絶えず騒音が発生する危険があります。住宅の防音性が高ければ気にならないかもしれませんが、それが低ければ生活に支障をきたしてしまいます。
終電時間まで走る電車の音が気になり、安眠できなくなれば健康上大きな問題になります。また、絶えず騒音が発生する環境に身を置くと、心が落ち着かずに、大きなストレスを抱えてしまいます。このように、騒音による生活上のストレスを軽減するために、住宅の防音性は大事な要素になります。
住宅の騒音は近隣トラブルの元にもなる
住宅の防音性が低いと、近隣トラブルに発展してしまうケースもあります。例えば、防音性が低いと、子どもの声や飼っている犬の鳴き声が近隣住民の家に届いてしまいます。それにより、近隣の方に迷惑をかけてしまうことも考えられます。
他の生活音に比べ、子どもやペットの発する音は、抑えることが難しいです。近隣トラブルを避けるためにも、自宅の防音性には意識を向ける必要性があります。
室内の生活音が漏れるとプライバシー上でも問題となる
室内の生活音が漏れてしまうと、プライバシー上の問題にもなりやすいです。例えば、家族や電話越しの会話には、その人のプライバシーに関わる重要な情報が含まれています。この情報が外部に漏れてしまうことは、その人の個人情報が漏れてしまうということを意味します。
また、話す方も音が漏れてしまうことを懸念し、小声で話すようになると自宅内での活発な会話ができなくなってしまいます。
逆に、聞きたくなくても近隣住民の会話などが聞こえてしまう環境は、住民にとってストレスにもなります。こうしたプライバシー上の問題にならないようにするためにも、住宅には高い防音性が必要になります。
住宅の防音対策には2種類ある
室内の生活音を外に漏らさない遮音対策
住宅の防音対策の一つに、室内の音を遮断する遮音対策があります。遮音とは、空気中に伝わる音を遮断して、外へ音が透過しないようにすることを指します。遮音対策としては、室内の壁や間仕切りに、音による振動を伝えない素材を使うという方法があります。
遮音に優れている素材として、鉄板やコンクリートなどがよく使用されます。また、窓を二重ガラスにしたり、厚手のカーテンのような吸音材を使用することで、遮音効果を高めることができます。
外の騒音を遮断する防音対策
住宅の防音対策の一つに、屋外の音を遮断する防音対策があります。防音とは、騒音などの屋外の音が室内に入ってくるのを防ぐことを指します。簡易的な対策としては、防音性能のあるカーテンやマットを使用するという方法があります。
防音カーテンには室内外からの遮音効果があり、遮音マットは階下への音漏れを防いでくれます。
さらにしっかりとした防音対策を行いたい場合、建設時やリフォーム時に外壁や内装を防音用にするという方法もあります。この場合、アルミやグラスウールなどの防音性能の高い素材を使い、外壁や内装の防音性を高めます。
室内の生活音の遮音対策のために検討すべきこと
床・壁・天井を二重構造にする
遮音対策として、床・壁・天井を二重構造にする方法があります。
床の二重構造とは、コンクリートに直接床を張らずに空間を作り、そこに床板などを張るという構造です。これにより、床下への音や振動の伝播が減り、遮音性が高まります。また、床下に給排水管や電気配線を設置するなど、設備配管類のメンテナンスや交換が容易になるメリットもあります。
壁の二重構造とは、鉄筋コンクリート造の壁の内側に石膏ボードなどを張り、その表面に内装用のクロスを貼るという構造です。これにより、話し声やTVの音などの空気伝搬する生活音への遮断効果が高まります。
天井の二重構造とは、上階の床に直接天井材を張らずに、ボルトなどで吊った板材を天井とする構造です。これにより、上階への遮音効果が高まります。また、換気用ダクトを二重天井の間に設置することができるため、スッキリした見た目になるというメリットもあります。
仕切りの下地に防音材を埋め込む
遮音対策として、仕切りの下地に防音材を埋め込むという方法があります。例えば壁の場合、「遮音シート」や「遮音パネル」などを仕切りの下地に埋め込むという遮音対策があります。これにより、生活音を遮断するだけでなく、断熱効果も期待でき、結露対策にもなります。
また、さらに吸音材を埋め込むことでより防音性が高まります。吸音とは、部屋で発生した音を吸収して、音の反射を防ぐことです。グラスウールやロックウールなどの吸音性能の高い素材を下地に埋め込むことで、より防音効果が高まります。
排水管に防音材を巻いたり、配管スペースの遮音対策をしたりする
排水管に防音材を巻くことも、防音対策になります。上階の排水管の流水音などを軽減させるのに効果的なのは、「遮音シート」を排水管に巻くことです。鉛が埋め込まれた質量の重いシートを排水管に巻くことで、音が外部に漏れにくくなります。
また、配管スペースの遮音対策も、音漏れ防止には効果的です。配管は、壁の中を通るかパイプシャフトと呼ばれる配管スペースを通るのが一般的です。そのため、配管スペースを通る場合には、その部分の下地を厚くするなどして遮音性を高めることができます。また、そのスペースに「遮音シート」を使うことで、より防音性能が高まります。
外からの騒音対策のために検討すべきこと
外壁や屋根には防音塗料を使用する
外壁や屋根に防音塗料を使用することで、騒音対策になります。防音塗料には、セラミックの効果で音を反射し、吸収するものがあります。塗装した場所には、セラミックビーズが隙間なく並び、 このセラミックビーズの凹凸で、表面積が大きくなることで音の反射が高まるというわけです。
窓の大きさや位置、サッシの種類
窓の大きさや位置、サッシの種類を変えることで騒音対策につながります。一般的に、窓が大きい方が外部の音が入ってきやすいです。そのため、窓の大きさを小さくすることで防音効果が高まります。
窓の位置に関しては、なるべく隣家の窓から離した方が防音対策になります。なぜなら、距離が離れるほど音の伝搬は低くなり、その結果音が伝わりにくくなるからです。
サッシの種類については、二重サッシにすることで防音対策になります。二重サッシにすることで、気密性が向上し、空気が出入りするすき間が少なくなります。それにより、外から入る音を低減することができます。
換気扇の排気口の位置を確認する
換気扇や設備の排気口は、外部からの音が入ってきやすいです。しかし、建設後の住宅では、排気口の位置変更は構造的に難しくなります。そのため、建設前の段階で、排気口の位置を確認することが防音対策として重要です。
もし、既に建築済みの住宅で排気口からの騒音が気になる場合、別途防音対策を行う必要があります。例えば、排気口にノイズフィルターを取り付けることで、防音効果を高めることができます。
他にも、音漏れを低減する防音フードを排気口に設置するなどの対策もあります。
家を建てる際に気を付けること
道路や近隣住宅とはなるべく離れた位置に住宅を配置する
防音対策として、道路や近隣住宅からなるべく離れた位置に住宅を建てる、というのも一つです。
当然、自宅近くに道路があれば、騒音問題が発生する可能性は高くなり、交通事故の二次災害に巻き込まれてしまう危険性も高まります。また、近隣住宅が近いと、内外部からの生活音が伝わりやすくなります。
そもそも、自宅が道路や近隣住宅から離れていれば、わざわざ防音対策を講じる必要がなくなります。そうすれば、防音対策にかかる費用を節約することができます。
防音対策は効果的な場所にのみ施すことでコストを抑えられる
本格的な防音対策を講じようとすれば、50万円以上の費用がかかるといわれています。しかし、予算の都合上、ありとあらゆる場所に防音対策をすることは難しいです。そのため、防音に効果のある場所に限定して対策をすることで、コストを抑えることができます。
例えば、部屋にピアノを設置する場合、部屋全体を防音化するのでは多くの費用がかかってしまいます。しかし、ピアノの音が伝わりやすい部分にのみ防音対策を行うことで、防音性をそこまで落とさずに安い費用で防音対策を行えます。他にも、上階の住人の足音は気にならないけど、隣人の話し声が気になる場合、壁にのみ防音対策を施すことで問題が解決します。
このように、防音対策を考えるうえで重要なことは、どのような音を防音したいのかです。それにより最適な防音方法が変わり、それに伴う費用も変わってきます。そのため、防音したい音の種類を決め、それに合った防音対策を講じることで、費用を安く抑えることができます。
防音対策におすすめの素材
木造より鉄筋コンクリート造の遮音性が高い
木造より鉄筋コンクリート造の方が遮音性が高いので、防音対策にはおすすめです。木造は、建築物の柱や梁などに木材を使用した構造のことを指します。木材を使用しているため、通気性には優れますが、音を通しやすくなります。そのため、木造住宅は遮音性が高くありません。
一方、鉄筋コンクリート造は、建築物の柱や梁などに鉄筋でできた枠型にコンクリートを流し込んだ素材を使用した構造のことを指します。コンクリートは、高音・低音どちらに対しても高い防音性を持っています。そのため、建築素材の中でコンクリート造の住宅が最も防音性が高いといわれています。
シアタールームや音楽室には吸音性のあるグラスウールやウレタンフォーム
自宅内にシアタールームや音楽室がある場合、吸音性のある素材を使うことで防音対策になります。
シアタールームや音楽室のような大きな音が出る場所には、しっかりとした防音対策を施す必要があります。大きな音でも吸収する吸音性の高い素材として、グラスウールやウレタンを使用することが一般的です。
グラスウールとは、ガラス繊維でできた綿状の断熱材です。グラスウールに伝搬した音は、その内部で熱エネルギーに変換されます。そのため、低音・高音問わず幅広い吸音性を発揮します。
一方、ウレタンは、一般的にはポリウレタン樹脂のことを指します。このポリウレタン樹脂は防音材としてよく使用されており、防音のメカニズムはグラスウールと同じです。こちらも、どの音域でも吸音する高い性能を持っています。
今すぐできる防音対策
カーペットやフローリングを敷く
手軽にできる防音対策として、カーペットやフローリングを敷くという方法があります。話し声や物の落下音など、階下に伝わる生活音を軽減するアイテムとして、防音用のカーペットやフローリングがあります。これらは、裏面に数ミリのマットやウレタンなどを張り合わせており、一般的なものより厚みがあります。それにより、音をしっかり吸収し、階下への防音対策につながります。
遮音カーテンを採用する
遮音カーテンを利用することで、手軽に防音対策ができます。遮音カーテンには、吸音効果を持たせるため、生地に特殊な織り方を施したり、生地を多重層にするなどの手が加えられています。これにより、一般的なカーテンに比べ、高い減音効果が実現できます。
ただし、遮音カーテンの設置の際には、窓から空気の漏れる隙間をなくすことが大事です。
そのため、窓に合ったサイズのカーテンを設置する必要があります。
ドアや窓の壁との隙間を防音テープでふさぐ
ドアや窓の壁との隙間を防音テープでふさぐことで、手軽に防音対策ができます。 ドアや窓に防音対策を施しても、床や壁の間に隙間があれば、そこから音が漏れてしまいます。 そうした隙間をふさぐために、防音テープを利用します。 ウレタンなど防音性のある素材でできた防音テープを隙間に貼ることで、防音対策ができます。
音の出る家電を壁から離す
音の出る家電を壁から離すことで、防音対策になります。 冷蔵庫や洗濯機などの家電は、モーターが振動することで音が出ます。 家電と壁が近いと、振動と音が壁をつたって響きやすくなってしまいます。 それを防ぐためには、振動と音を発生させる家電と壁の間に隙間をつくることが大事です。 そのため、防音対策として音の出る家電を壁から離すことは、有効な対処法になります。
壁側に大きめの家具を配置することで音を遮断する
壁側に大きめの家具を配置することで、防音対策になります。 音が壁をつたって反響するのを防ぐため、壁の前に家具を置きます。 それにより、音の障害物となり、防音性が高まります。
家の防音対策はいつからでもはじめられる!
防音が必要な箇所や種類を判断し、適切な処置をしよう
住宅の建築構造や周辺環境により、防音対策は変わっていきます。 特に、自宅周辺に道路があったり、小さな子どもがいる場合は、防音対策を積極的に検討するでしょう。 しかし、やみくもに防音対策を施しても、それが騒音トラブルと関係が薄い場所であればムダになってしまいます。 そのため、防音対策が必要だと感じたら、まずは防音するべき箇所とその種類についてしっかり考える必要があります。 そして、自分でやるか業者に頼むかを含め、しっかり検討してから適切な防音対策をしましょう。
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