iemiru コラム vol.154
活断層について分かりやすく解説!地震との関係やマップの見方を知ろう!
近年、地震の度に耳にするようになってきた「活断層」。詳しくは分からなくても、「地震と関係ある危険なもの?」といった認識の方も多いのではないでしょうか。 地震と関係あるということは、いま自分が住んでいる場所についてはもちろん、これから家を建てるなど、引越しを検討している方にとっても大切な情報です。 今回は「活断層」とは何か? そして、国土交通省で掲載しているマップの見方についても解説していきますので、今後の災害対策や引越し先を決めるときの参考にしてみてください。
活断層とは?
活断層とは、地球の表面にある「断層」のなかでも、地震が起こりうる活動中の断層のこと。または活動する可能性のある断層のことです。「断層」とは、地球の表面にある岩盤(プレート)の層に負荷がかかり、割れてズレてしまった状態のことを指します。 ※参照:国土交通省 国土地理院 活断層とは何か?http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/explanation.html
活断層はしばしば大きな地震の原因にもなり、日本では「阪神・淡路大震災」の頃から注目されるようになりました。当時は六甲・淡路島断層帯が活動し、そのなかの「野島断層」が震源にもっとも近い断層として知られています。
「断層」と「活断層」の違いに注意!
ここで気を付けたいのは、全ての断層が危険なのではなく、「活断層」のように活動中の断層が危険だということ。なかには枯れてしまって動かない断層も存在します。 「断層」があるからといってあわてず、活断層であるかどうかを確認することから対策を始めましょう。
日本で起こる地震の多くは断層が原因
日本国内で起きる地震の多くは活断層が関係しています。一方、活断層が原因ではない地震もあります。両者の違いはどこにあるのか、以下でご説明していきます。
地震は大きく2種類に分けることができる
・海の巨大なプレートが引き起こす「海溝型地震」 活断層以外の地震の原因は、海の巨大なプレートが引き起こす「海溝型地震」。そもそも、地球の表面は十数枚のプレートに覆われており、その下には「マントル」という超高温のドロドロとした物体が動いています。そのマントルの流れが原因でプレートが動き、プレートとプレート同士がぶつかることで起こるのが地震です。 プレートが原因による「海溝型地震」は横揺れするのが特徴で、地震だけでなく津波などの災害も引き起こします。 ※参照:文部科学省 気象庁 活断層の地震に備えるhttps://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/katsudansou/katsudansou_kanto.pdf
・プレートの亀裂(断層)が引き起こす「内陸型地震」 海溝型地震を引き起こす「プレート」のなかにある亀裂、つまり断層(とくに活断層)が引き起こす地震のことを「内陸型地震」と呼びます。断層はプレート同士の境目に比べると圧倒的に小さいですが、街の真下に位置するため、規模が小さくても大きな災害になる可能性が高いのが特徴です。 また、街の直下で起こることなどから「直下型地震」と呼ばれることもあります。
長い活断層ほど大地震を起こす可能性がある
活断層から発生する地震は、長い活断層ほど地震の規模が大きくなるとされています。文科省の機関である地震本部では、「活断層の長さが20km以上の場合、地震規模はマグニチュード7.0を超えると考えられる」としています。
活断層が原因の地震は数千~数万年のサイクル
ひとつの活断層が地震を起こすと、同じ活断層が次の地震を起こすまで数百~数万年かかると言われています。数万年というと長く感じる人も多いと思いますが、断層のなかでも260万年前に活動した形跡のある断層を「活断層」と呼ぶ場合もあり、珍しいことではないようです。 なぜそのように長い期間で考えるのか、それは「46億年」といわれる地球の歴史に比べると、数百万年というのはとても短い期間であるといえるからです。人間にとっては長い期間でも、地球の活動期間としては短い期間といえます。
日本で地震が多いのは活断層の数が多いから
ではなぜ、地震の間隔は数百~数万年もあるというのに、日本では多くの地震が発生するのでしょうか。それは、日本には圧倒的に多くの活断層が存在するからです。いままで発見されている数だけでも2000を超える活断層があるとされています。 仮に地震間隔が1000年とすると、半年に1回は地震が来る計算です。実際の地震間隔は数万年かかる場合もあるので一概には言えませんが、それほど地震は身近な存在であるといえます。 ちなみに、海洋プレートが原因の地震間隔は100~200年とされています。
自宅近くの活断層を知る方法
ここまで活断層と地震について説明してきましたが、「活断層ってどこにあるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。以下に、活断層の場所を調べる方法を解説します。
国土交通省の「活断層図」で調べる
活断層の場所は、国土交通省ホームページにある「活断層図」で調べることができます。 「http://www.gsi.go.jp/bousaichiri/active_fault.html(国土交通省国土地理院)」のURLからHPへ飛んで確認してみてください。
活断層図の見方
詳細は以下の引用写真にて確認できますが、地図上にある「赤い線・赤い点線」が活断層を、「黒い線・黒い点線」は活断層があると予想される場所を示しています。それぞれの点線は、雨風やの影響や人の手が入ってしまったことで、場所がハッキリ分からない場合に用いられます。 ※参照:国土交通省 国土地理院 活断層(都市圏活断層図)利用の手引きhttp://www.gsi.go.jp/common/000084060.pdf
活断層による地震の特徴
直下型地震で縦揺れ
活断層による地震は、街の真下(直下)で起こるため、振動が縦に伝わる「縦揺れ」になる特徴があります。下から「ドン」と突き上げるような振動のイメージです。 逆に海のプレートによる地震は、本土よりも遠くの海底が震源地となるため、振動が横に伝わる「横揺れ」になる傾向があります。
揺れるまでの時間が短い
街の真下で地震が起こるということは、震源地との距離が近いということ。距離が近ければ振動が伝わるのも早く、地震が発生してから揺れを感じるまでに、警報機が間に合わないこともあります。 逆に「海溝型地震」の場合は、海底の震源地から本土までの距離が遠く、揺れが伝わるのにも時間がかかるのが特徴です。その間数十秒~数分のうちに警報が発令され、揺れる前に少しでも対応できる可能性が上がります。 直下型地震の場合は津波の心配をしなくてよいですが、海溝型地震の場合は津波の恐れがあるので、避難を優先しましょう。ご自身の周りではどんな地震が想定されるのか、しっかりと調べて対策をしてください。 ※参照:文部科学省 気象庁 活断層の地震に備えるhttps://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/katsudansou/katsudansou_kanto.pdf
規模(マグニチュード)が小さくても揺れ(震度)は大きい
直下型地震は震源地との距離が近いため、規模が小さな地震でもダイレクトに振動が伝わりやすく、揺れも大きくなる傾向にあります。ただし、地盤の固さなどによって揺れ方が違いますので、ご自身の周りについても調べてみてください。 活断層から少し離れていても、地盤がゆるければ揺れが伝わりやすく、被害が大きくなります。土砂災害などの危険もありますので、しっかりとした対策を怠らないようにしましょう。
被害地域は比較的せまい範囲
直下型地震は海溝型地震に比べると、被害地域が狭くなる特徴があります。一番危険なのは活断層の真上にある地域で、活断層から離れるほど揺れは収まる傾向にあります。
マップで自宅近くに活断層がなくても注意!
日本では今までに2000近くの活断層が発見されていますが、全ての活断層が発見されたわけではありません。まだ見つかっていない活断層もあり、地震を起こす可能性があるので注意が必要です。 またプレートが動き続けている限り、いままで活断層がなかった場所でも、新たに活断層が発生する可能性もあります。活断層図でご自身の周りに活断層が見つからなかった場合でも、油断せずに災害対策をしてください。 ※参照:文部科学省 気象庁 活断層の地震に備えるhttps://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/katsudansou/katsudansou_kanto.pdf
活断層の確認は大切! それ以外の地域でも災害対策は万全にしよう
活断層は地震の原因となる断層で、ご自身の周りにあるのか、どんな特徴があるのか知ることが大切です。しかしまだ見つかっていない活断層もありますので、不測の事態でも対応できるよう、日頃から災害対策を万全にしてください。 万が一の事態を想定して、災害にしっかりと備えていきましょう!
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