iemiru コラム vol.158
いま人気の平屋!建てる前に知っておきたいポイント
憧れのマイホームを建てようと思い立ち、ハウスメーカーのカタログをみはじめると素敵な平屋のプランを目にしますね。 開放的な家の雰囲気に魅力を感じる方も多く、人気を集めています。この記事では、平屋の特徴、メリット、デメリット、間取りを考えるにあたって知っておきたいポイントなどをご説明します。
いま人気の平屋とは
平屋とは1階部分だけで2階以上を設けない家
平屋とは、名前の通り平たい形状の家、つまり1階部分のみで居住スペースが完成し、2階以上のスペースを設けないプランの家をいいます。伝統的な日本家屋は平屋が主流でしたが、現代社会では都市部に人口が過密し狭い土地にたくさんの住居を建てなくてはならない状況のなかで、2階建て、3階建ての家やマンションなどが主流となりつつあります。 ところが、老後の理想の住宅として平屋を希望する声は、4割以上あるといわれています。齢を重ね家族構成などに変化があると、昔ながらの平屋に注目する人が増えてきているともいえます。
日本人にとって馴染みの深い平屋
四季おりおりの風情をめでてきた日本人にとって、平屋は昔から馴染み深い建築様式です。伝統的な日本家屋は平屋がたくさんあります。平屋の縁側で涼んだり、土間を利用したり、地面に近い場所で暮らしてきた日本人のDNAには、平屋はどこか安心感があり、落ち着くといった印象が刻まれているのかもしれません。
平屋にするメリット
不動産には個性があり、それぞれメリットとデメリットがあります。平屋と2階建て以上の建物についてもそれは同じです。どちらがいいということはないですので、大切なことはメリットデメリットを十分に知り、自分のニーズにあったものを建てるということだと思います。家は毎日暮らすものであるため、自分のライフスタイルや暮らし方のイメージに合うものを選ぶことにより、日常生活の満足感があがります。
生活導線が楽で、家事がしやすい
何より大きいのは階段ののぼりおりが発生しないということです。2階以上部分がないということはのぼりおりをしなくていいので、すべて1階だけで用が済みます。2階建て以上の家に住まれたことがある方は、外出しようとして靴をはいた後に、あ、2階に忘れ物をした!取りに2階に戻るのが面倒くさいな、いう経験をされたことがあるのではないでしょうか。平屋であれば、1階部分で生活が完結するので、こういったストレスはなくなります。 また、家事が効率的で楽、という点も平屋に住むメリットといえます。階段部分の掃除は、掃除機をかけるのも雑巾をかけるのも大変ですよね。しかし、家族が毎日使う部分でもあるので、掃除をしないとほこりがたまりがちなところでもあります。階段がない場合は、掃除機も雑巾がけも楽チン。最近では、ルンバなどのお掃除ロボットもありますが、お掃除ロボットは階段があるところでは動作しません。平屋であれば、お掃除ロボットにおまかせしつつ、気になる箇所を手作業で掃除、といった効率的な家のお手入れが可能です。 また、水廻りは配線の関係で1階まわり以外は設置しづらいため、お風呂や洗濯機は1階に設置する戸建て住宅がほとんどです。2階以上にベッドルームがある場合、シーツの洗濯や交換などは階段ののぼりおりをして行わなければいけませんが、これが毎日であると結構大変という主婦の方も多いと思います。平屋だとこういった家事の負担が軽くなりますね。
バリアフリーなので、長く居住することができる
平屋はバリアフリーとして設計しやすいので、10年、20年と長く住むことができます。 赤ちゃんや幼児がいるご家庭は、階段があると転げ落ちてしまわないか何かと心配しがちです。また、高齢者がいるご家庭では、高齢者が階段を毎日のぼりおりしないといけないということは足腰に負担がかかります。万一転倒してしまって骨折などしてしまっては大変です。高齢者の怪我は寝たきりなど深刻な状況へとつながる可能性がありますので、家作りにあたってはなるべくリスクを避けたいところです。 また、戸建てを建てた時点では若く健康であったけれど、長く住み続けていけば、自分も年老い、階段ののぼりおりが負担に感じるようにもなる可能性があります。平屋はこういった子育ての時期から子供たちが巣立ち夫婦が高齢化していく時期まで、安心して住み続けられるというメリットがあります。家は、長く住むと風格がでてきますし、何よりその家族のヒストリーが刻まれ子供たちの思い出となっていくものです。こういった観点から長く安全に住める家という観点で平屋を選ばれる方もいます。
お洒落なイメージ
2階以上の部分がないということは階段や柱にとられていた面積が不要になり、その分設計の自由度があがるということでもあります。また、階段がない分、天井を高くとることができるというメリットもあります。広い天井、大きな窓、明るい縁側を備え付けた家はとても魅力的ですね。2階以上の家では上下階で風通しが悪くなる場合もありますが、平屋はそれがないので風通しもよいです。 また、構造がシンプルであるため、リフォームも2階建て以上の家にくらべて簡単にできるというメリットもあります。その時々の自分や家族の好みを取り入れたお洒落な家にしたいという方には、広く面積をとれてリフォームしやすい平屋はメリットがあります。
家族同士の距離が近い家
1階2階と階段やフロアで隔てられない分、家族の距離が近い生活をしやすいというメリットがあります。子供が思春期になると、2階の自室に引きこもってしまうなどという悩みをかかえる親御さんもいらっしゃいます。平屋の場合、リビング、寝室、個室がワンフロアでまとまりますので、家族が生活の中で自然と顔を合わせる機会が多くなります。家ではなにより家族と一緒にいる時間を大切にしたい、という方は平屋のプランを考えてみてもよいかもしれません。
平屋にするデメリット
それでは、平屋にするデメリットはいったいなんでしょうか。
プライバシーやセキュリティ面でのケアが必要
ひとつには、プライバシーやセキュリティ面でケアが必要ということです。居住スペースが地面にすべて接着しているということは、開放感がある一方、外からの進入にも弱いという側面があります。寝室やバスルームなども1階部分にあるので、泥棒対策や覗き見などの対策は入念にしておいたほうがよいでしょう。ご心配な方は、シャッターをとりつける、セキュリティサービスを検討するなどの対策が考えられると思います。
敷地面積が必要
2階以上のフロアがなくすべて1階に居住スペースを設けるということは、ある程度必要となります。土地代も建築費用も敷地面積に比例して高くなりますし、都市部ではそもそもまとまった敷地面積の土地がなかなか売り出されないので見つけにくいというデメリットがあります。いちがいには言えないですが、4人家族がゆとりをもって暮らすには、60坪から80坪の面積は必要であるといわれています。面積に建蔽率という建物がたてられる割合をかけて得られる面積が居住スペースですので、建蔽率も60%程度ある土地を探す必要があります。
空気の通り道に工夫が必要
平屋の特徴として、居室がすべて連続した平面に配置されます。そのため、間取りによっては、部屋と部屋をくぎる壁に妨げられて風通しが悪くなってしまうことがあります。立体的な空気の流れをつくりだすために暖かい空気が部屋の上部に集まる性質を利用しましょう。壁の高いところに設ける高窓から空気を逃がし、壁の低いところに設ける地窓から低温の空気を取り入れれば、自然と空気が入れ替わります。
平屋の家作り 成功するポイント
外観編
平屋の外観は、もちろん人それぞれの好みによりますが、シンプルな形状を活かしてミニマムですっきりした外観や、自然との調和を考えたナチュラルな雰囲気の外観、純和風の外観などが人気です。すっきりしつつ、のっぺりとしない印象の外観を意識すると素敵にしあがります。 平屋は構造がシンプルであるぶん、屋根、窓、外壁などのパーツが目立ちやすいという特徴があります。今は素材も、レンガ、タイル、サイディングなどいろいろなものがでていますので、屋根、窓、外壁がそれぞれしっくり調和するように選んでいきましょう。 平屋の屋根の形でよく選ばれるのは、片流れ屋根と陸屋根と呼ばれる形です。片流れ屋根は一枚の屋根でななめに傾くようにとりつけられる屋根をいいます。モダンな印象になりますし、太陽光発電のパネルがとりつけやすいというメリットがあります。地球にやさしく、かつ住むだけで売電ができ不労所得が得られるので、検討してみてもいいかもしれません。 陸屋根は、平たい屋根です。平屋に陸屋根をあわせると、箱状の形の家になりますので、非常にシンプルでミニマムな印象になります。弱点としては、木造の平屋を希望されている場合には余り向かないことです。多くの屋根が斜めになっている理由は、雨などが屋根のうえにたまらないように設計するためなので、陸屋根にする場合は鉄骨財など雨がしみにくい素材にする必要があります。どうしても木造にしたい場合は、正面からは見えない程度でわずかに傾斜をいれてもらうなどの工夫が必要になるので、工務店などに相談してみてください。 また、バルコニーやテラス部分のデザインも重要です。緑豊かな雰囲気でバルコニーやテラスをつくれるのが、都心部のマンションのベランダにはない戸建ての魅力のひとつでもありますので、ぜひ納得がいくまで検討してみてください。また、生活面でいうと、ここで洗濯物を干すことになりますので、周囲からみえづらいような工夫をしたバルコニーやテラスが使いやすいでしょう。
内観編
内観も2階建て以上の建物と同様に、ご自分の好みにあったテーストにするのが一番ですが、平屋の少し和風で素朴なイメージを活かして、木材に濃い茶色を使用したり、柱や梁をむき出しにしたりするような内観も一つの選択肢です。少しモダンな家具と純和風のつくりの組み合わせで、いま流行りの古民家カフェ風の家もお洒落ですね。間接照明などをうまくとりいれてみましょう。 また、天井に近い壁部分などにスリットなどを入れるのもおすすめ。スリットが入ると空間に抜け感が生まれるので、広く見せることができます。また、平屋のデメリットである距離が近いゆえにプライバシーに関して気になる場合があるという点も、寝室まわりに壁をもうけつつスリットをいれると、プライバシーは保ちつつ他の部屋ともつながった空間にすることができます。
間取り編
家族の距離が近く開放的という平屋の持ち味をうまくいかしつつ、暮らしやすい間取りにするには、広さを感じさせる間取りの工夫をすることがおすすめです。 たとえば、リビングの一部の床を低くするダウンフロアリビングや、逆に小上がりスペースを作る方法は、のっぺりしがちな平屋の間取りに立体感やリズムを与えつつ、広く見せる効果もありますのでおすすめです。小上がり部分の段差を利用して収納を作る方法も、デットスペースが活かせるので空間を広く使えておすすめです。作りつけで収納を作ってもらう方法もありますし、畳小上がりで畳部分にはねあげや引き出しといった収納スペースが、もともとつけらえている既製品を、ハウスメーカーから購入して取り付けてもらう方法もあります。
平屋作りの予算
気になる平屋を新築する場合の費用はどれくらいでしょうか。新築で戸建てを建てる場合、土地取得代もかかることが多いので、建築費用はなるべくリーズナブルにおさえつつも、希望の間取りや床暖房などの最新設備もとりいれた家を建てたいところです。 建設費用は、一流メーカーから町の工務店まで様々ある事業者の中で、どこを選ぶかによってかなり変わってきますが、2~3LDKだと1000万円から2000万円程度の範囲になることが多いようです。もちろん高いほうが素材などは上質なものを使用していることが多いですが、有名ハウスメーカーは広告宣伝費や人件費などにもお金をつかっているので、価格は高めになる傾向があります。複数の候補先から見積もりをとると項目ごとの詳細な内訳がわかりますので、比較検討して納得がいく事業者を選びましょう。 平屋は2階建て以上の部分がないので、2階建てよりも安く建てられると考える方が多いですが、必ずしもそうとは限りません。理由としては、敷地面積が広くなるため、その分屋根や基礎工事にかかる費用が増えるからです。また、家の建築素材は2階建て以上の家用に汎用品として量産されていることが多いため価格がおさえられるのですが、平屋の場合はオーダーメイドになってしまうことが多いこともあげられます。もちろん、階段部分や耐震構造などにかかる費用については節約ができるので、2階建てよりも価格をおさえられる点もあります。 様々な要素が絡み合って最終的な予算が決まりますので、しっかりとひとつひとつ検討していくことが大切ですね。
平屋は家に愛着をもって長く住みたいこだわり派におすすめ
いかがでしたでしょうか。平屋にもメリットデメリットがありますので、ご自分やご家族のライフスタイルやお好みにあうか検討してみてくださいね。齢を重ねても楽に暮らしやすく広々と地面に近い場所で暮らせる平屋、家にこだわりをもって長く住む一軒を建てたいとお考えの方にはぜひおすすめです!
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