iemiru コラム vol.237
戸建ての内覧会を成功させる6つのポイント!理想のマイホームを得る準備とは?
内覧会は理想の家を探す最後の砦!
「内覧会は面倒!」「やる意味あるの?」そんなイメージを持っている方は多いようです。でも、実は内覧会こそ、理想のマイホームを得るためには欠かせない最大のイベントと言っても過言ではありません。 そこで今回は、知っておきたい内覧会のポイントやメリットをまとめました。後々のトラブルを防ぐことにも繋がるので、現在建築中の方はもちろん、これからマイホームを作りたいと思う方はぜひ参考にしてください。
内覧会とは
そもそも「内覧会」とは、建物が出来上がってから、引き渡しの間に行われる検査のことをいいます。 「顧客検査」や「竣工検査」と呼ばれることもありますが、現場監督が購入者と一緒に工事現場を見て、しっかり建物が造られているかをチェックしていく場でもあります。
戸建てでもマンションでも内覧会は必須
「内覧会」は、ただマイホームをお披露目する場ではありません。もしも、不具合が見つかれば、引き渡しまでに補修工事を依頼することもできますし、設備や実際に使われた素材などを確認できる貴重な機会なのです。 これは、戸建てでもマンションでも同じです。満足できる理想のマイホームを得るためにも、ぜひ積極的に参加するようにしましょう。
内覧会をすることの3つのメリット
内覧会は法律で必須と決められているわけではありません。そこで、なぜ必須ではなくても内覧会をした方が良いのか、3つのメリットをご紹介します。
不具合を直してもらえる
内覧会の一番のメリットは、不具合に気づけば業者に無償で直してもらえることでしょう。 新築の分譲住宅に関しては、一定期間無料で不具合を直してもらえる保証やアフターサービスが付いている場合もあるため、安心している方もいるかもしれません。 しかし、入居後に不具合に気づいたところで、居住前に発生したものなのかどうかを判断するのは難しい場合があります。業者側にも強く訴えることができずに、泣き寝入りをしたり、結局、有料で補修をしたというケースも少なくないのです。 さらに、内覧会では新築時の状態を知ることができるため、万が一、数年後に建物に不具合が起きた場合にも、トラブルを未然に防ぐなどの対処がしやすくなります。
家電や家具の置き場所を具体的にイメージできる
「ここに冷蔵庫を置きたい」「カーテンはこんな感じ」など、理想のマイホームのイメージはどんどん膨らむものです。 しかし、いざ家電や家具を購入しようとすると、具体的な寸法が分からず、すぐに購入に踏み切れない場合があります。そして、結局、忙しい引越しの合間に家電家具を揃えるためにバタバタしてしまう方も多いでしょう。 実際に住む前に色々な箇所を採寸することができるのも、内覧会の大きなメリットです。置き場所を具体的にイメージできるため、スムーズに居住を始めることにも繋がります。
謝礼金やオプションサービスを受けられる場合がある
一概には言えませんが、規模によっては内覧会を行うと謝礼金やオプションサービスを受けられる場合があります。 商品券や現金をもらえたり、フローリングや水回りのコーティングをしてもらえたりなど、工務店によってサービスの内容が違うため、事前にチェックしてみることをおすすめします。
内覧会当日までに準備すること
内覧会のメリットがわかったところで、いよいよ内覧会当日までの準備すべきポイントをご紹介します。事前に知っておくことで、きっと役立つはずです。
あると便利な持ち物リスト
せっかくの内覧会を有効活用するために、あると便利な持ち物をまとめました。
● 設計図……(図面との違いがないか確認する)
● メジャー……(家具などの採寸に利用する)
● 水平器……(水平垂直の精度を確認する)
● スマホやデジカメ……(不具合や指摘場所を記録する)
● 懐中電灯……(床下、天井裏などを確認する)
● スリッパ……(靴下汚れ防止)
● チェックリスト……(確認漏れを防止する)
● テープや付箋……(目印をつけられる)
● メモ帳・筆記用具……(必要事項をメモする)
ほとんどの持ち物は、わざわざ購入しなくても家庭で用意できるものです。
ちなみに、水平器の代わりにビー玉を床に置いて確認する方も多いようですが、微妙な傾きの場合には転がらないこともあるため、あまりおすすめできません。ホームセンターなどで数千円で手軽に購入できるため、この機会にきちんとした水平器を揃えておくと役立ちます。
また、図面やチェックリストは、工務店や不動産会社で準備してくれる場合もありますが、念のために持っていくと安心です。
さらに、注文した設備や内装の色などもチェックする必要があります。事前にどんな点を確認するのか、ご自身でチェックリストをまとめておくと、よりスムーズに確認できるでしょう。
できれば2人以上で見る
家族の仕事や独身で購入した場合など、1人で内覧会に行かざるを得ないケースはあると思います。しかし、内覧会にはできれば2人以上で行くのがベストです。 理由は、1人だと時間が足りずに見落としが発生したり、担当者に遠慮してしまってゆっくり見ることができない可能性もあるからです。 また、小さなお子様の同行は、あまりおすすめできません。走り回って傷を作ってしまったり、チェックに集中できなくなる可能性もあるため、できれば大人だけで行く方が良いでしょう。 お子様がいる場合には、静かに遊べるおもちゃを持参したり、散らからないお菓子を持って行ったりなど、工夫してみてください。
引き渡しまでのスケジュールもチェック
内覧会から引き渡しまでのスケジュールも、事前に確認しておきましょう。もしも内覧会で不具合が発生した場合、補修をした後の最終確認が必要となります。 多くの場合、10日ほどあれば対応できるようですが、ゆとりを持ってスケジュールを組むことを心がけるのも大切です。
内覧会でチェックするべき6つのポイント!
それでは、いよいよ内覧会でチェックするべきポイントをご紹介します。完成間近のマイホームを眺めたくなる気持ちも分かりますが、押さえるべきポイントはしっかり確認しましょう。
1.傷や凸凹、内装の施工に不具合がないか
最初に、建物全体の傷や凸凹をチェックしましょう。「オーダーしたものと違う壁紙やフローリングだった」という事例も実際にあるため、内装の施工にも注目してみることが大切です。 見落としがちなのはクロスです。継ぎ目の部分に隙間がないか、小さく剥がれていないかなどを入念にチェックしてみてください。特にトイレや洗面所など、湿気が多い場所のクロスは、時間が経つと剥がれやすい傾向にあります。 ただし、実際に生活していく上で、すぐにできるであろう傷や汚れに関しては、そこまで重要視しなくても良いかもしれません。どうしても気になる部分には、テープなどで印をしたり、写真を撮ったり、後で見てもわかるようにしておきましょう。
2.壁は水平か、床に傾きはないか
近年、欠陥住宅が取り上げられるニュースが多くなっています。根本的な部分になるため、「壁が水平か、床に傾きはないか」をしっかりチェックすることも後悔しないポイントです。 知っておきたいのは、建物を建築する時には、設計図に対して多少の誤差は出てしまうという点です。一般的な許容差は、3/1000mmですが、これ以上傾いているとぐらつきが起こる恐れがあるため、水平器を使って何箇所かで確認してみましょう。 一般的な水平器は、中央の透明な部分に気泡の入った液体が入っています。気泡がどこにあるのかによって水平かどうかがわかる簡単な仕組みになっているため、初めて使う方でも扱いやすい道具です。 素人目に見て、許容差を判断できない場合には、担当者に確認してみましょう。
3.図面の通りに建物が造られているか
図面の通りに施工が行われているかも、確認ポイントです。コンセント、照明器具の位置や数はもちろん、扉の開く方向についても図面と照らし合わせて見ていきます。 排水管の点検口や配管など、素人には判断が難しい箇所もありますが、施工状況を判断できるチェックポイントでもあるため、内覧会時に確認しておくと安心です。 もしも図面と違う部分があった場合は、その都度、担当者に聞いてみましょう。場合によっては、工事する上で必要と判断して、変更が行われた可能性もあるからです。許容範囲である変更かどうか、その場でチェックすることが肝心です。
4.建具や設備機器はきちんと作動するか
住居の設備機器がきちんと作動するかの確認は、必須項目です。 戸棚や引き出しはもちろん、インターホンやセキュリティ関連、流し台のディスポーザー、換気扇、ベランダの物干し台、避難ハッチなど、ありとあらゆる機器を実際に作動させて動作状況を見てみることが肝心です。 その際、設備の取り扱い説明書を見ながらわからないことを聞いておくと、実際に使う時にも役立ちます。 意外と多いのが、建具についてのトラブルの見落としです。内覧会時には小さなことに思えるかもしれませんが、開閉時の軋む音や、スムーズに開閉できないことが、実際に生活する上では大きなストレスになってしまいます。
5.水漏れなど水回りの不具合はないか
洗面所や浴室、台所の水回りは、特にじっくりチェックしたい場所です。きちんと水が出るかどうかの確認はもちろん、水漏れなどのトラブルを事前に防ぐことにも繋がります。 水漏れのチェックには、実際に栓をして水を溜めてみてください。水を出す時に水圧が強すぎると音が出る場合もあるため、気になるようであれば調整してもらいましょう。その後、排水ができているか、水漏れがないかを確認しましょう。
6.敷地の境界が明確か
戸建ての場合、敷地の境界が明確になっているかも確認しておくと、後々のご近所トラブルを回避することができます。 敷地の境界に目印が入れられている場合も多くあります。実際に起きているトラブルでは、例えば境界上にブロックが立てられていて補修や撤去ができないというケースです。 隣地と共有しているものはないか、枝などの越境物がないかなどをくまなく確認しておくこともポイントです。
内覧会によくあるQ&A
最後に、内覧会についてのよくあるQ&Aをご紹介します。どんなに小さなことでも、不明点があれば、念には念を入れて事前に工務店などに確認しておくと、より安心です。
もしも不具合を見つけたらどうすれば良い?
不具合を見つけたら遠慮せずに、担当者にその場で質問や指摘を行うようにしましょう。その後の補修工事などの日程、さらに最終チェックのスケジュールを立ててもらうことができます。 また、どんなに軽い補修工事だったとしても、入居後の工事は避けた方が無難です。引越しの荷物があったり、設備を使う上で邪魔になったりする可能性があるからです。
内覧会の所要時間はどれくらい?
一般的な所要時間は、1〜2時間ほどが多いようですが、しっかり一つ一つ確認すると、3時間ほどかかるようです。もし全てチェックできそうもない場合には、「大切な機会なので」と言って、できる限り時間をとらせてもらいましょう。事前に打ち合わせし、しっかり時間が確保できるのであれば、よりベストですね。 注意が必要なのは、内覧会中に日が暮れてしまうと周りが暗くて不具合を発見しづらくなってしまうことです。照明設備が付いていないケースも多いため、できれば午前中〜午後1時くらいの明るい時間帯に予約すると良いでしょう。
専門家に一緒に行ってもらった方が良い?
自分達でチェックするのが不安であれば、専門家の力を借りることも選択肢に入れておきましょう。 一級建築士などの専門家に事前に依頼しておくと、より細部にわたってチェックを行うことができるので安心です。ちなみに、費用は3万〜6万ほどが相場のようです。
もしも内覧会を案内されなかったら?
一般的には建築業者などから、内覧会の開催時期への連絡があります。ただ、内覧会は義務ではないため、必ずしも開催されるとは限りません。 そのため、引き渡しの日が近いのにも関わらず内覧会についての連絡がない場合には、自分から問い合わせてみるようにしましょう。
内覧会での遠慮は無用!どんどん質問しよう
内覧会は、実際に理想のマイホームを目にすることができるとても幸せな1日です。しかし、それと同時に工事の不備などを実際に指摘できる最後の1日でもあります。 今回ご紹介した内覧会についてのポイントを押さえて、もしも気になることがあれば担当者にどんどん質問しましょう。遠慮は無用です。もしかしたら、少し気まずくなる場合もあるかもしれませんが、入居をしてから後悔するよりは申し出た方が良いと思います。 ぜひ内覧会を上手に活用して、理想のマイホームを作り上げてくださいね。
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