iemiru コラム vol.244
防音性が高いのは鉄筋コンクリート?騒音トラブルを回避する家づくりのポイント
防音性の高さは暮らしやすさと密接な関係がある
快適な生活空間に直結する防音性の高さ
自宅では静かな空間でゆったりとくつろいだり、好きなことを好きなタイミングでできる暮らしをしていきたいものです。それには、やはり防音性の高さも重要になります。防音には外部からの音の侵入を防ぐという役割だけではなく、室内の音を外に漏らさないという役割もあります。防音性の高い住居なら外の音に邪魔されることもありませんし、外部に漏れる音を気にせずに好きなことを自由に行うことができます。
ライフスタイルの変化により騒音トラブルが急増
近年ではさまざまな生活サイクルで暮らしている方がいます。出勤時間ひとつ見ても、早朝に出勤される方やお昼ごろからの方、深夜に出勤される方など、さまざまな時間帯に出勤されています。出勤時間がさまざまということは起床時間や就寝時間もその時間に合わせて人それぞれということになり、音が出てしまう活動を行う時間帯もそれぞれ変わることになります。実は、これが原因で知らず知らずのうちに音の迷惑をかけていて騒音トラブルに発展してしまうことが増えているのです。
防音性の高さを左右する3つのポイント
家の「構造」、「間取り」、「窓の種類」の3つは、防音性を左右するものです。適切なものを選び満足のいく防音性のある家を作りましょう。
ポイント①構造
住宅の防音性は、密度の高い構造であるほど高くなります。 例えば、住宅の構造にはさまざまありますが「木造」、「鉄筋コンクリート(RC造)」、「軽量鉄骨」のこの3つの構造を防音性の高さという観点から比べてみると、最も防音性が高い構造は「鉄筋コンクリート(RC造)」になります。次いで、「軽量鉄骨」、最後に「木造」になります。これは、鉄筋コンクリート(RC造)の構造内部がコンクリートで満たされていて密度が高く、遮蔽物としての能力が高いためです。 軽量鉄骨は木造住宅よりは密度があり、音を遮る遮蔽物としての性能が高くはありますが、石膏ボードとの間にグラスウールなどの防音性を高めるための施工がされていないと構造に空間が多くなり、音が意外と気になることもあります。また、軽量鉄骨は、鉄骨が薄いため上下の振動が音となり伝わりやすいという特徴があります。二世帯住宅などを建てた場合に上階の子世帯の音が気になることもあるかもしれません。 木造住宅は通気性が良いというメリットがありますが、その分空間が多く音を遮る力は弱くなります。木造住宅を建てる場合には、構造内部になるべく空間ができないよう遮音材をつけるようにしましょう。
ポイント②間取り
住宅の防音性を高めるためには、間取りを工夫することも有効です。例えば、廊下や収納などを音が気になる部分に設置しておくと音の発生源から距離をおけて音が届きにくくなります。また、隣家の音が気になる場合には、縁側を設置したり、物入れや納屋を設置してみるのもおすすめです。防音性を高めるには、音から距離をおいたり、音を遮るものを設置することが効果的です。
ポイント③窓の種類
住宅の防音性を高めるためには窓も重要です。窓にも種類があります。防音性を高めたいなら、「防音ガラス」や「二重窓」を検討してみてください。防音ガラスとはガラスを二枚貼り合わせて遮音性能を高めているガラスです。二重窓は既存の窓の内側にもうひとつ窓を設置するものです。窓を二枚設置することでできる空気層により防音効果が高まります。 また、二重窓は結露予防にも役立ちます。防音ガラスと二重窓はどちらも防音効果のあるものですが、この二つでより防音性能が高いのは二重窓になります。交通量が多い立地や騒音が気になる立地なら二重窓がおすすめです。
構造だけじゃ不足!?防音効果を補ってくれる4つの方法
住宅の防音効果を高めるには構造だけではなく、家具の配置やインテリアなどを工夫するとより高めることができます。
完全防音の建築構造はない
住宅の構造により騒音を防ぎやすくすることはできますが、完全に音を防ぐことが難しいのが現実です。建築構造で防音性能は高められますが、これに加えて家具の配置を工夫したり防音グッズなどを活用してより満足度の高い防音性にしていきましょう。
方法①家具の配置
音は壁や空気を伝わり広がります。このことから音の出る家電製品の設置や振動するものは壁から離して設置するのがおすすめです。例えば、テレビやコンポ、洗濯機のような家電製品は壁から離して設置するようにしましょう。また、大きな家具を壁際に設置すれば音を遮る壁のような役割が期待できます。本棚やタンスなど背丈もある大きな家具は、音を遮りたい場所や音の漏れを防ぎたい場所に設置してみましょう。
方法②カーペット・遮音カーテンの利用
床に厚めのカーペットやラグを敷くことでも防音性を高められます。これはカーペットやラグが音を吸収してくれるためです。カーペットやラグは分厚いもの、クッション性の高いものほど防音性が高まります。 最近ではさまざまな機能がついているカーテンがあります。なかには防音性を高められる遮音カーテンというものもありますから、活用してみるとよいでしょう。遮音カーテンは、特に空気を伝わり聞こえてくる高音の音に効果があります。振動をともなう低音には効果が薄いですから、楽器の音や子供の声、犬の鳴き声などでお困りなら検討してみるとよいでしょう。
方法③防音室の設置
自宅で防音対策を徹底した空間が欲しい場合には、「防音室」を設置することを検討してみるとよいでしょう。防音室というと広いスペースが必要で費用も高額な印象がありますが、最近では0.8~2畳ほどのスペースに設置可能でレンタルできるものもあります。小スペースではピアノのような大きな楽器は無理かもしれませんが、ギターやトランペットといった小さな楽器や歌の練習などなら問題なく使えます。
方法④種類豊富な防音グッズの活用
住宅の防音性を高められるグッズもさまざま販売されています。こういった防音グッズを少し加えるだけでも違ってきますから、活用してみてください。
防音パネル
工事不要で取り付けられる防音機能のあるパネルです。壁や天井に貼ると部屋の防音性を高められます。
コルクマット
コルクでできたマットです。クッション性があり、床に敷くと下階に音が響くのを防げます。ラグやカーペットの下に敷くとより防音性が高まります。
ドア防音テープ
ドアの接触部分に貼りるとドアの開閉時の音を和らげてくれます。
防音ゴム
洗濯機の下に敷くと洗濯機の振動を吸収して、洗濯機の稼働音を和らげてくれます。
椅子の足カバー
椅子の足にカバーをつけると椅子を引きずる音が響きません。また、床が傷つくのを防げるメリットもあります。
環境チェックで騒音トラブルを未然に防ぐ
自助努力だけでは防げないから周辺環境の確認を
騒音に関するトラブルは、自宅の防音性を高めるだけでは防ぎきれません。やはり、騒音トラブルを未然に防ぎ、静かに暮らしたいなら、住宅を建てる土地の周辺環境にも気を配る必要があります。
「人・場所・時間」に注目
騒音の程度は、近所の住人の性質や周辺道路の状態、周辺施設の状態により変わります。住宅や土地を購入する前には、あらかじめ周辺住民の性質や道路状況などを確認しておきましょう。
近所の住人
近所の住人の家族構成や年齢、趣味などを確認しておくとよいでしょう。小さな子どもが居る家族が多く住まう地域は活気がありますが、子どもの泣き声などが気になることもあります。また、音が出る趣味をされている方がいないかもチェックしておくとよいでしょう。ピアノなどの楽器の演奏やカラオケといった趣味により出る音は、たまになら苦にならなくても頻繁に聞こえてくると辛くなることもあります。
ペット
犬など大きな声で鳴くペットが近所のお宅で飼われていないかもチェックしておきましょう。ペットだからうるさいというわけではありませんが、飼い主さんが留守になったとたん鳴き始める犬がいて迷惑しているといった声もよく聞きます。また、外飼いの犬で人が通るたびに吠え続ける犬もいますが、こういった犬の声も毎日となると気になることもあります。
ゴミ捨て場
ゴミ捨て場が荒れているかどうかチェックしておきましょう。ゴミ捨て場が乱雑に荒れている地域は、がさつな人や荒っぽい人が多く住まう地域である可能性があります。よくいえばおおらかな人達だといえますが、おおらかである故に音に対する配慮がなく騒がしく暮らしていことも多いです。
道路状況
付近にどんな道路があるのかもチェックしておくことが大切です。交通量の多い道路が近くにあると車の騒音が気になります。また、大きな道路でなくても通勤や通学などで使われて人通りが多い道路が近くにあるのも騒音が気になる原因となります。
時間帯による変化
街の雰囲気は時間帯によっても変わります。できれば時間帯を変えて街の雰囲気を確認しておきましょう。例えば、昼間は静かだけれども、夜になると車の通行量が増えて騒音が気になるといったこともあります。
不動産屋から情報を得る
住宅周辺の地域の情報は自分の目で確かめることも大切ですが、不動産屋さんから情報を得るという手もあります。とくに地域密着型の不動産屋さんならその地域の情報に詳しく、意外な情報を教えてくれることもあります。まずは不動産屋さんに色々と聞いてみましょう。
防音に配慮して暮らしやすい環境を
静かな暮らしは誰しもが望むところです。防音対策を取り入れて騒音トラブルを回避していきましょう。
防音対策は複数用意する
防音対策は一つよりも二つといった具合に、その対策を増やせば増やすほど相乗効果でより防音性を高められます。まずはできることが始めてみてください。
ご近所付き合いで摩擦を減らす工夫も
騒音は、「知らない人が出す騒音」よりも「知人が出す騒音」の方が気になりにくいものです。ご近所付き合いで良好な関係になっておけば、騒音トラブルになるリスクも減らせます。近所付き合いをおっくうに感じる方も多いですが、なるべく良好な関係を築けるように努めてみましょう。
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