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iemiru コラム vol.249

新築でもキッチンに悩みが生まれる!失敗しない設計の方法とは

マイホームを建てるなら、キッチンは自分の理想が沢山詰まった場所にしたいですよね。 新築の場合は“一から自分の好きなように設計できる”というメリットがありますから、確実に夢のキッチンを手に入れることができます。 ただ、残念ながらその一方で「こんなはずではなかった!」と後悔する方が多いのも現実です。この違いは一体何でしょうか。そこで今回は、いくつかの失敗例をもとに、確実に理想のキッチンを手に入れるためのポイントをご紹介します。

キッチンが使いにくい…その失敗とは?

キッチン内で動きづらい

キッチンは料理を楽しむ場所ですが、忙しく作業をする場所でもあります。そんな時、スムーズに移動ができなければ結果的に大きなストレスを抱えてしまうことになります。キッチン内で動きづらい原因にはいくつか理由があります。

通路が狭い

人気の対面キッチンに多い悩みです。図面の段階ではなかなか想像できないのですが、いざ食器棚や冷蔵庫を設置すると通路が狭くなってしまったという悩み。 特に冷蔵庫は奥行きがあるので、その部分だけが出っ張ってしまうということがよくあります。通路が狭すぎると引き出しや冷蔵庫の開け閉めもままならなくなってしまいますので、通路幅は最低でも90cmは確保しておきたいところです。 事前にキッチンスペースが決まっている場合は、そのスペースに見合ったサイズのものを設置しましょう。

動線が悪い

キッチンの動線・レイアウトが作業時間を決めるといっても過言ではありません。作業の流れは大体決まっていますから、自分にとっての使いやすさを意識した動線でなければストレスを感じてしまいます。 家電の配置や移動距離でも随分変わりますし、利き手によっても動線は変わってきますよね。料理をしながら家事をし、更に家族が通る動線も意識しなければ、忙しい朝に通路が詰まってしまうという事態になりかねません。

ゴミ箱の設置場所

意外と盲点なのが、ゴミ箱の設置場所です。「ゴミ箱の設置場所を考えていなかった」と後から気づく方が非常に多いのです。その結果、メインで使う通路や見えやすい位置に置かざるを得ないということに… ゴミは調理に付き物ですし、回収日や回収方法も地区によって違いますから、“一定期間保管”をしなければならないのです。ゴミ箱は臭いや生活感が出やすいものなので、配置場所がとても重要になります。置く予定のゴミ箱に合わせたスペースを事前に確保しておきましょう。勝手口付近を上手に利用した使い分けが出来ればより快適ですよ。

高いところに手が届かない

キッチンの上にある吊り戸棚。便利なようで手が届きにくい場所にあることから、実は悩む人が多い部分です。普段使用する物は、無理な姿勢を取らなくても取り出せる場所に保管していますよね。よって、吊り戸棚に収納する物はめったに使わない物に限られてくるのです。 また、吊り戸棚は脚立や踏み台を使用して物を取り出すことから、事故の原因になりやすい場所でもあります。

コンセントの場所が使いづらい

後から簡単に取り付けできないことから、後悔することの多いコンセントに関する失敗。この悩み、実は毎年トップクラスに入るほどです。

コンセントの場所

コンセントの場所が悪く、線が届かない、延長コードが不便という失敗。 特に気を付けなければならないのが、冷蔵庫や電子レンジなど常に使用する家電のコンセントです。常に使用する家電は家庭によって様々ですから、家電に応じた数のコンセントを設置しましょう。 冷蔵庫の場合、トラッキング現象を防ぐため高い部分に設置します。トラッキング現象とは、コンセントとプラグの間に埃が溜まることで発生する火災のことです。冷蔵庫は各家庭によって大きさが違うため、高さを測ってから設置しましょう。 どんなに一流の建築家であっても、行動の全てを把握しているわけではないので、キッチンを実際に使用する方自身がコンセントの位置を綿密に計画する必要があります。

コンセントの数

キッチンでは沢山の家電を使いますよね。忙しい朝は、炊飯器でご飯を炊きながら電子レンジを使い、更にケトルやポットでお湯を沸かす…このような場面が多いでしょう。そんな時にコンセントの数が足りていないと、最悪の場合それぞれの家電の終了を待って抜き差ししながら使うという事態になりかねません。 タコ足配線は便利ですが、事故や火災の原因になりますし、何より見た目が良くないですよね。

アンペア数

もう一つ重要なのが、コンセントのアンペア数です。コンセントは数が多ければ良い訳ではありません。家電に応じたアンペア数も必要なのです。 暖房をつけた寒い日に、電子レンジを使いながらケトルでお湯を沸かした途端、ブレーカーが落ちてしまったという経験ありませんか?キッチンで使用する家電は、アンペア数の高いものが多いからです。 よって、普段の生活をイメージしながらアンペア数を決めると良いでしょう。ただし、アンペア数を上げすぎると電気代も高くなりますので、極端に上げすぎる必要はありません。

キッチン設計を成功させるためのコツ

前述の失敗例を踏まえた上で、キッチン設計を成功させるためのポイントをご紹介します。

キッチンスペースをなるべく広くする

キッチンスペースは、食器棚や家電を置いてもスムーズに移動できるくらいの広さを確保しておきましょう。キッチンスペースが事前に決まっている場合は、その広さに見合ったキッチンを設置するようにします。 その際、作業スペースを可能な限り広く取りましょう。食材を切ったり、洗った食材や食器を置いたりと、家事をしやすくするためには作業スペースの適切な広さが必要不可欠だからです。

収納場所やスペースを確保する

キレイで使いやすいキッチンかそうでないかを左右するのは、何といっても“収納”です!キッチンには物が多くなりがちですから、収納力は抜群にしておきましょう。 まずは、収納・配置したいものをリストアップすることをおすすめします。何をどれくらいキッチンに収納するかで必要な収納量が大きく変わります。リストアップが出来たら、キッチンのレイアウトを決める段階で、家電の配置や収納場所を検討しておきましょう。 先ほどデメリットの部分でご紹介した吊り戸棚も、下端を自分の目の高さにするだけで使い勝手がぐっと良くなります。更に使い勝手を良くしたい方は、スライド式や電動昇降式の吊り戸棚もおすすめですよ!

キッチンを一番使う人の意見を参考にする

キッチンを設計する際は、キッチンを一番使う方の意見を参考にしましょう。日々作業しているからこそ分かる好みやこだわりがあるからです。 また、ぜひ参考にしていただきたいのが、“キッチンの高さ”です。理想の高さは、以下の計算式で簡単に求められます。 理想のキッチンの高さ=身長÷2+5cm 知らない方がほとんどなのですが、キッチンの高さは身長によってアレンジが可能です。キッチンの高さによって作業のしやすさが大きく変わってきますので、自分に合った高さで設計するようにしましょう。

冷蔵庫の配置場所も考えておく

冷蔵庫の配置場所は、実はとても重要です。配置場所によって家族全員の動線が大きく変わってくるからです。キッチンの入り口付近に設置した場合、調理する人と冷蔵庫の物を取りに来た家族の動線が重ならずに済みます。逆にキッチンの奥に設置すると、動線は重なってしまいますがキッチンから冷蔵庫の圧倒的な存在感をなくすことができます。 冷蔵庫の扉がどちらに開くかによっても適切な配置は変わってきますので、事前に確認しておきましょう。

流行りのアイランドキッチンは便利?

アイランドキッチンとは、キッチンをリビングやダイニングに向けて完全に独立した状態で設置するキッチンのことです。デザイン性・機能性ともに優れているので、ショールームで一目ぼれして選ぶ方も多いです。 それ程人気が高いキッチンですが、もちろんデメリットもあります。後から後悔しないためにも、メリットとデメリットを十分に考慮してみてくださいね。

メリット

開放感がある

アイランドキッチンの最も大きな特徴です。その開放感から、キッチンというよりインテリア家具のように設置できるのも素敵なポイントです。ダイニングテーブルなどの位置もシーンに合わせてアレンジしやすいという特徴があります。

家族との一体感を感じられる

キッチンに仕切りがなくリビング側を向いていることから、常に家族の様子を見ながら料理や作業ができます。特にお子さんが小さいご家庭は、料理中でも様子を見られたら安心ですよね。

作業動線が制限されない

キッチンが孤立していることから、作業動線が制限されません。よって日々の食事の用意や片付けも大変楽ですし、家族も手伝いやすくなります。また、沢山の人が集まるようなホームパーティーでも、沢山の人がキッチンで作業できます。

スタイリッシュでオシャレ

アイランドキッチンはどのメーカーのものを見ても高級感に溢れているし、スタイリッシュでオシャレですよね!それもそのはず、どのメーカーも上位グレードとして位置づけしています。

デメリット

広いスペースが必要

アイランドキッチンの場合、キッチンの四方全ての面に通路が必要になります。そのため、とても広いスペースが必要です。無理に設置してしまうと、キッチンかリビングやダイニングのどちらかが狭くなってしまいます。また、キッチン自体の存在感が強いので、いかにリビングやダイニングと調和させるかも大きな課題となります。

キッチン全体が丸見え

アイランドキッチンはその開放感ゆえ、どの角度からも手元が見えてしまいます。その上吊り戸棚は設置しておらず、収納が少ない傾向にあります。そんな状況でも生活感を出さないためには、常に整理整頓しておく必要があります。

リビングに臭いや音の影響が出やすい

仕切りや壁がないので、調理の臭いや油はねの影響が出やすいのも特徴です。また、リビングとの距離が近い為、調理の音や食器洗いの音で会話やテレビの声が聞こえにくいというデメリットもあります。

価格が高い

デザイン性が高い分、使用される装飾もそれなりのものを求められます。機能性の高い換気扇の設置が必要なことや、収納面の増設も費用が高くなる原因です。

使いやすさを第一にしたキッチンを設計しよう

日々長い時間を過ごすキッチン。どんなにデザインや機能が優れていても、それだけでは満足に家事をこなすことはできません。やはり“使いやすさ”が理想の第一条件ではないでしょうか。 “自分の好きな形に設計できる”という新築ならではのメリットを最大限に活かして、ぜひ自分にとって使いやすいキッチンにしてくださいね。そのためのポイントはたったひとつ、“緻密な計画“です。いかに具体的にイメージできるかが成功の鍵を握っています。 一生に一度の家作り、自分の理想が沢山詰まったキッチンにしてくださいね。

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