iemiru コラム vol.320
家の建て替えってみんなどうしてる? 費用や築年数・仮住まいなどについて解説
築年数が経ってくると検討し始める家の建て替えやリフォーム。リフォームについてはなんとなく流れが分かるけど、建て替えはどうなの? と考えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では家の建て替え目安となる築年数や費用・期間、仮住まいなどについて解説。申請できる補助金などについても触れていきますので、ぜひ建て替えやの参考にしてください。また、建て替えしない場合でも、リフォームとの比較参考になる知識としてを知っておいても損はありませんよ。
家を建て替えるまでの流れ
家を建て替えるときの流れは、リフォームの流れとほぼ同じ。工務店やハウスメーカーへ依頼して、工事をしていくことになります。以下は大まかな流れを箇条書きにした7つのステップです。 1.工務店・ハウスメーカーを探す 2.設計・見積もり 3.仮住まいへの引っ越し 4.解体 5.新居の建築 6.竣工(完成)・引き渡し 7.新居への引っ越し 家の建て替え工事における開始から完了までの期間は、おおよそ半年~8ヵ月が目安。さらに工務店・ハウスメーカーを探す時間がかかるため、建て替えを検討し始めてから1~2年かけてのイベントになることが多いです。 リフォームの場合は改築規模によって期間が大きく変わりますが、基本的に建て替えはリフォームより時間がかかります。 建築を依頼する工務店・ハウスメーカーは、新築時と同じ会社でも良いですし、別の会社でもかまいません。基本的に同一の会社で「解体→建物工事→外構工事→建て替え完成」までまとめて受けてもらえますが、解体と外構工事は別々の業者へ依頼することもできます。
解体を別業者へ依頼するメリット・デメリット
通常は工務店・ハウスメーカーが手配した解体業者が解体作業をおこないますが、まれに自分で手配する方もいらっしゃいます。以下、簡単にメリット・デメリットをまとめました。
費用を安く抑えることができる
もっとも大きなメリットは、工務店・ハウスメーカーに任せるよりも費用を安くおさえることができること。工務店・ハウスメーカーが手配する場合は手数料が発生するため、自分で手配するよりも割高になってしまいます。
素人が発注するので不安が残る
一番大きなデメリットは、素人が発注することで建て替えできる状態にできなかったり、建築業者との連携に失敗したりする可能性が高いこと。その点、工務店・ハウスメーカーが手配する場合は、プロによって正確な発注が行われるので安心です。 また解体業者探しや発注にかかる打ち合わせなど、ある程度の労力が必要なこともデメリットになります。
外構工事を別業者へ依頼するメリット・デメリット
玄関のアプローチやフェンスを設置する外構工事も、工務店・ハウスメーカーから発注するのが一般的ですが、自分で発注することもできます。以下、簡潔にメリット・デメリットをまとめました。
専門業者なので細部までこだわった外観にできる
工務店・ハウスメーカーでも外構工事を請け負いますが、専門業者へ依頼する方がより細部までこだわった施工が可能です。 というのも、工務店・ハウスメーカーは下請け業差へ発注するときに手数料を抜くのが一般的。仮に100万円で外構工事を依頼した場合、実際には手数料を引いた80~90万クラスの工事が施工されることになります。 同じ外構工事費をかけるのであれば手数料のない専門業者の方がグレードも高いといえます。
完成までの期間が長くなる
外構工事を別業者へ依頼する場合、外構工事業者へ出向いてゼロから打ち合わせ・設計を始めなければいけません。そのために時間の確保が必要になりますが、工務店・ハウスメーカーへ依頼する場合は、建物を設計・工事する流れで進めてくれるので早いです。 また、工務店・ハウスメーカーへ依頼する場合は住宅ローンに外構工事を組み込めますが、外構工事を別業者へ依頼する場合はあらためてローンを組む必要があります。あらためて手続きする手間や金利の高さもデメリットのひとつです。
家の建て替えにかかる費用
設計費用は建物価格の10~15%
設計事務所へ設計を依頼する場合、建物価格の10~15%を設計料として支払うのが一般的。工務店やハウスメーカーへ設計から依頼する場合は3~5%になったり、場合によっては建物価格に含んで計上しなかったりすることもあります。 施工管理など設計士の関わり方によっても金額は変わるので、あらかじめ設計料の目安を確認してから見積もりや相談に乗ってもらいましょう。
解体費用は坪単価1.5~3万円
古い建物の解体費用は、坪単価で計算し1坪当たり1.5~3万円となるのが一般的。敷地が広くなると単価が下がったり、建物や駐車場などの構造によっては高額になったりと、建物によって大きく金額が変わります。 安くなりやすいのは木造でシンプルなつくりの建物。強度の高い鉄骨やコンクリート造、複雑なつくりの建物ほど高額になりやすいです。
引っ越し代は15~30万円
建て替えのときは、仮住まいへの引っ越しと新しい家への引っ越しで計2回の引っ越しが必要になります。それぞれの引っ越し代を10万円ずつとすると、引っ越し代で20万円かかることに。 もちろん荷物の量や時期によって金額に差は出ますが、最低でも15万円はみておいた方が無難です。引越しは3月とGW、9月末が繁忙期で、各月末や土日も込み合うので料金が高くなりがちです。 なるべく早めに1括見積もりサイトなどを利用して、料金を安くする工夫をしましょう。1括見積もりサイトを使う場合、一度に複数社から見積もりが届きます。そのなかでも最安の料金をベースにして各社と交渉していくと、競争して値引きをしてくれる場合が多いです。
仮住まいの家賃は50~100万円
仮に3LDKで家賃10万円の仮住まいに6ヵ月住む場合、「(家賃6ヵ月分)60万+(敷金1ヵ月)10万円+(礼金1ヵ月)10万円+(仲介手数料)10万円+(保証金その他)10万円=80万円」がかかります。 家賃などの条件によって金額が変わりますが、少なくとも50万円は見ておくようにしましょう。 少しでも安くするためには、敷金礼金がない物件や、仲介手数料0円キャンペーンをやっている不動産を探すのがポイントです。仮住まいには6~8ヵ月しか済まないので、多少家賃が高くても、敷金礼金がない物件の方が総額で安くなることもあります。 仮住まいの期間を考慮しながら、かかる総額で判断してみましょう。
建築費用は1000万円以上が目安
土地の広さや床面積もよりますが、建物の建築費用は1000万円からが目安。ハウスメーカーが提案するような大量生産型のパッケージ住宅であれば、費用を抑えることができます。若くても持ち家にこだわる方や、家よりも教育費や体験にお金をかけたい方におすすめです。 上限についてはキリがなく、予算さえあれば同じ床面積でも5000万円を超える住宅が建てられます。個人の価値観や資産にあわせて検討しましょう。「長期優良住宅」などは、補助金がでる可能性が高く、結果的に費用を抑えることにつながります。
税金各種手続き
家を建て替えた場合にかかる税金は主に ・不動産取得税 ・登録免許税 ・印紙税 の3つが発生します。それぞれ固定資産税評価額や建物価格に対して数%の割合でかかってきますので、あらかじめ予算として計上しておきましょう。不動産取得税などは優遇措置などで免除になる場合もあるので、事前に確認が必要です。
家を建て替え中の仮住まい
リフォーム中も仮住まいは必要ですが、建て替え中はより長い期間必要になります。以下、期間や荷物に関する疑問をまとめました。
期間は半年~8ヵ月が目安
建て替え中の仮住まいは、半年~8か月住むのが一般的です。建物の打ち合わせ設計後、解体が始まる前に仮住まいへ引っ越します。引っ越し先は同市内など近くを選ぶ方が多いですが、期間限定なのであえて繁華街近くなどに住む方もいらっしゃいます。
建築側が用意する場合も
建て替えを依頼する工務店・ハウスメーカーによっては仮住まいを用意したり、不動産を紹介したりしてくれる会社もあります。その場合、選択肢が少ないのがデメリットですが、手間が省けるのでスムーズな引っ越しが可能です。
ペットなどがいる場合は郊外なども要検討
仮住まいは賃貸やホテルを選ぶことになるので、ペット可の物件を探すのに手間がかかります。もともと都心の分譲マンションなどでペットを飼っていた方は、郊外まで足を伸ばすことも視野にいれましょう。 とはいえ、ペット可の物件数は少ないですが、必ず存在するので見つからないことはありません。心配な方ほど早めに仮住まい探しを始めてください。
仮住まい中の荷物を管理する2つの方法
リフォームであれば改築しない部屋に荷物を置くことも可能ですが、建て替えの場合はすべて運び出す必要があります。以下、荷物を管理する2つの方法を解説します。
仮住まいへ持っていく
もっともベーシックなのは、荷物をすべて仮住まいへ移動する方法。荷物の量が変わらないため、同程度の床面積がある物件を探さなければいけません。建て替えを機に家具を一新する方などは、家具付きのウィークリーマンションなども選択肢に入ります。
トランクルームを借りる
仮住まいにいる間、身軽にすごしたい方などは、荷物をトランクルームへ預けることも。また仮住まい期間中に荷物を預かる引っ越しサービスもあるので、ウィークリーマンションやホテルに仮住まいしたい方は検討してみましょう。 トランクルームを借りる場合は、湿気でカビが生えることも考えられるので、換気など空調設備が整った場所を選んでください。
住民票は移動しなくてもよい場合が多い
仮住まいの間、住民票を移すこともできますが、期間が1年未満であればそのままにするケースが多いです。ただし、1年以上仮住まいにいる場合や、子供の学区外へ引っ越しするときは市役所や学校に相談して確認しましょう。 郵便物など、実生活に影響のある住所登録は変更届を出した方がよいので、手続きを忘れないようにしてください。
家を建て替えるときの目安
家が古くなったとき、あえてリフォームではなく建て替えを選ぶには、それなりの基準が必要です。以下、建て替えを選ぶ方に多い理由を2つ解説します。
大幅な間取り・設備変更をしたい
「子供が家を出たので、夫婦2人にあわせた間取りにしたい」「孫ができたので2世帯住宅にしたい」といった理由で、大幅な間取り・設備変更を希望する場合は、リフォームでは対応できずに建て替えを選ぶ方が多いです。 木造住宅であればリフォームの幅も広いですが、玄関やキッチン~風呂場を2つずつ設ける、といった大幅な構造変更には対応できません。また仮に対応できてもそれなりに予算がかかるため、結局建て替えを選ぶ方も多くいらっしゃいます。
老朽化による耐震性が不安
耐震工事でも耐震性のアップは可能ですが、あまりに老朽化が進んでいる住宅では建て替えが必要なケースもあります。あくまでも所有者本人の意思によって方針が変わりますが、まずは耐震診断を受け、リフォームで対応できるレベルなのかを確認することからはじめましょう。
旧居の素材を活かした建て替えも可能
旧居につまった思い出を残したい、そんな思いをもっている方には、旧居の素材を活かした建て替えがおすすめ。柱の一部を再利用したり、場合によっては一室まるごと再現したりすることも可能です。 工務店やハウスメーカーに依頼することもできますが、信頼できる設計事務所を探すことをおすすめします。
「大幅な間取り変更」「より安全な耐震対策」を求める方は建て替えがおすすめ
《「大幅な間取り変更」「より安全な耐震対策」を求める方は建て替えがおすすめ》 技術が進んだ現代において、リフォームである程度の間取り変更や耐震補強はできますが、自由度が低く耐震性に不安が残るのも事実です。予算の目処が立つのであれば、建て替えをして一新することをおすすめします。 ローンの面でもリフォームローンと住宅ローンでは金利が違いますので、高額のリフォームになればなるほど、建て替えした方が得になることも。 リフォームによって残る不安は、建て替えることで解消できることがほとんどなので、問題が深刻な方ほど早期の建て替えを検討してみましょう。
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