iemiru コラム vol.464
【連載】インテリアコーディネーターshiroの「インテリアと暮らしのヒント」vol.4
そろそろ気になりはじめた年末の大掃除。どこから手をつければいいかわからない、毎年最後まで終わらない……。
そんな方に、大掃除の基本とコツをご紹介します。
大掃除スケジュールをたてましょう
はじめに大掃除のスケジュールをたてましょう。大掃除はご家庭によって、「少しずつ取り組む」場合と、「年末に一気にやる」場合があると思います。少しずつやる場合は日程だけ組めばOK。一気にやる場合は、およそのタイムスケジュールまで作ってみましょう。
1. 掃除の前に片付け
「普段から不要なものを溜め込まないようにしている」・「物がきちんと収納できている」、そんなご家庭なら「片付け」は必要ありません。そうでないなら、大掃除の前に物を片付けましょう。
汚れを落とす「掃除」と、要らないものを捨てたり、収納方法を見直したりの「片付け」は本来別のもの。別にやった方がスムーズです。ただし冷蔵庫のように片付けと掃除をセットでやった方が合理的な場所もあります。
片付けは隙間時間でも取り組みやすいので、大掃除前半に少しずつやってしまいましょう。ご家族で相談して「この日までに各自の物を片付けること!」と決めてもいいですね。
2. 掃除の必要な場所をリストアップ
普段手が回らないところや、少しずつ汚れが溜まっているところなど。大掃除したい場所をリストアップします。家の簡単な間取り図を書いてみると、イメージしやすくなりますよ。
3. 日程を決める
掃除を終わらせたい日から逆算して、掃除が必要な箇所をスケジュール表に割り振っていきます。
日程を決めるときは以下のことに注意しましょう。
掃除の順序は「上から下」・「奥から手前」が基本
すでに掃除したところを、また汚してしまうのは避けたいですね。天井のホコリ取りは一番始めに行いましょう。
予備日を設ける
年末は大掃除以外にも何かと用事が多いもの。また、ガラス拭きや外まわりなど、雨だとできない作業もあります。予備日を設けてゆとりをもったスケジュールを組みましょう。
年末のゴミ収集日を必ず確認
冷蔵庫の整理は年内最終の可燃ゴミ収集の前に行うなど、今年のゴミは今年中に出せるように予定をたてます。粗大ゴミがある場合は、処理の手配も早めにしておきましょう。
家庭の汚れは3種類!
お掃除の基本を復習しましょう。家庭の汚れの原因はさまざま。でもその性質は大きく3つに分類できます。それぞれの汚れに対する基本的な対処法を知っておきましょう。
①固形物の汚れ
例:ほこり、砂、泥、髪の毛、食べ物カスなど
いきなり水拭きしてしまうと、かえって汚れが付着してしまうことがあります。まずは、掃除機で吸うか、はたきなどで払い落とします。
表面にのっているだけのホコリも、放っておくと油や水分と結びついて頑固な汚れに変わります。ホコリを払うのは、できれば日常のお掃除でまめにやっておきたいこと。それだけで大掃除が楽になります。
②酸性の汚れ
例:油汚れ、皮脂汚れ、湯アカ(皮脂を含む)など
手強い油汚れは酸性の汚れです。酸性の汚れはアルカリ性の洗剤で落とします。環境のことを考えて、ナチュラルな洗剤でお掃除をする人が増えていますが、よく使われるのは、重曹、セスキ炭酸ソーダ、過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)。すべて弱アルカリ性の性質をもっています。アルカリ性の強さは以下の通り。
アルカリ性の強さ:重曹<セスキ炭酸ソーダ<過炭酸ナトリウム
それぞれに特徴はありますが、原則としてアルカリ性が強いほど頑固な汚れにききます。
③アルカリ性の汚れ
例:水アカ、石けんカス、アンモニア臭など
アルカリ性の汚れは酸性の洗剤で落とします。酸性の代表的な洗剤はクエン酸。酸性のお酢もお掃除に使えます。
場所別、大掃除のコツ
ある調査によると、大掃除できれいにしたい場所は「1位 キッチン」「2位 浴室」「3位 窓まわり」だそう。場所別にお掃除のコツをみていきましょう。
1位:キッチン
レンジまわりや換気扇は、汚れの程度によってアルカリ性の洗剤を使い分けて落とします。ひどい汚れを落とすには、時間の力を借りること。五徳や換気扇フィルターはシンクなどでつけ置きしてから、こすり洗いをします。
シンクや水栓金具の落ちにくい水アカとりには、キッチンペーパーを張り付けて、クエン酸水を吹き付ける「クエン酸パック」が効きます。クエン酸水は水1カップにクエン酸小さじ1/2程度をとかしたもの。パックの後はよく水で洗い流します。
排水口の汚れは油分も含むので、「過炭酸ナトリウム」などでつけ置き洗いを。過炭酸ナトリウムには除菌、漂白効果もあります。
換気扇などのひどい汚れは、プロにお任せしたほうがいい場合もあります。堆積した油汚れは時間の経過とともに、固くなり「樹脂化」してしまいます。これを無理に落とそうとすると、表面を傷めてしまうこともあります。
2位:浴室
浴室には、「皮脂を含んだ酸性の汚れ」と「水アカ、石けんカスなどのアルカリ性の汚れ」、両方があります。
浴槽、風呂釜、小物を一挙にお掃除してみましょう。浴槽に水を張り、1カップぐらいの過炭酸ナトリウムを溶かします。椅子や洗面器などの小物をつけこんだら、追い炊きをして風呂釜まで循環させます。しばらくそのままつけ置き。一度湯を流したら、再度すすぎの水張りと追い炊きを行います。
浴室のカウンターや小物などにつく白っぽい汚れは、石けんカスなどアルカリ性の汚れ。クエン酸など酸性の洗剤で落としましょう。キッチンのシンクと同様に、しつこい汚れにはクエン酸パックが効果的。
洗剤では落としきれない鏡のウロコは、人工ダイヤモンドが練り込んであるダイヤモンドパッドで磨きましょう。パッドは100円ショップでも手に入りますよ。
3位:窓まわり
窓まわりは、家中まとめて掃除すると効率的です。ガラス面の軽い汚れなら、水拭き+乾拭きでも落とせます。汚れの程度によっては、薄めた中性洗剤や重曹水(お湯1カップに重曹小さじ1/2をよく溶かしたもの)などを使用します。おすすめの道具は、窓ふきのプロも使っている「スクイージー」。水切りゴムに持ち手がついたT字型の道具です。ガラス面から汚れと水分を一緒に拭き取れるので、時間短縮になり仕上がりもきれいです。洗剤をつけたタオルやスポンジでガラスを拭いたあと、スクイージーで洗浄水を取り除きます。集めた水がサッシの枠を汚さないように、ガラスの一番下ではタオルで受けるようにします。 *洗剤や掃除用具は必ず使用上の注意や、使用できる物を確認してからご使用ください。また、酸性やアルカリ性の洗剤は、使用後必ず拭き取ったり、すすいだりしてください。成分が残っていると、物を傷める可能性があります。
大掃除から見直す、日ごろのお掃除
大掃除には日ごろのお掃除を見直すヒントも隠れています。
汚れを落とすのに苦労した。そんな場所があったら、その場所は日常のお掃除を見直したほうがいいというサイン。
時間切れで、すべてに手が回らなかったときは、半年に一度の大掃除にしたほうがいいかもしれません。5月か6月頃にも大掃除を計画してみましょう。実は暖かい季節のほうが、汚れがゆるみやすく大掃除に向いています。最近はゴールデンウィークに大掃除をするご家庭も増えているようです。
大掃除はもともと「煤払い」という呼び名で、新年に神様をお迎えするための神事として行われていました。お部屋をきれいにすると、開運にも結びつきそうです。大掃除でお部屋をリフレッシュさせて、気持ちよく新年を迎えましょう。
vol.5はこちら
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