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iemiru コラム vol.468

【連載】後悔したくない!わたしの家づくり体験 vol.5

家を建てた当時は、上の娘は2歳になる直前でした。その娘が今は幼稚園に通い、年中になり、妹もできました。そう思うと、我が家が建ってからそれなりに時間が経過したのだなぁとあらためて、ぼんやりと思います。 その間に我が家ではいろいろなことがありました。これから先何十年を考えるとまだまだ始まったばかりのマイホーム生活ですが、当然ながら当初のキラキラした夢溢れる生活とは少しずつ離れてきています。 そんな3年余の時間を振り返ってみたいと思います。

後悔はあって当たり前。それを少しでも減らすためにやったこと

ここで言う「後悔」とは、言うまでもなく、家を建てたことに対する「後悔」ではありません。例えばコンセントの位置や壁紙等、家の仕様に対する小さな「後悔」です。(コンセントについては、私たちよりも先に家を建てた友人たちに『できるだけ多くつけておいた方が良い』と言われていたのでたくさんつけたつもりでしたが、それでもまだ足りなかったですし、微妙にここじゃないんだよなー…というのが結構あります) 第一話でも書きましたが、私は「家は3回建てないと満足できない」というのを聞いていたので、それをずっと頭において家づくりをしてきました。 「絶対に後悔することが出てくるなら、少しでもその後悔を減らしたい」と強く思っていました。それで、第一話の「調べて、見て、考えて、考えて、考えて、もう一度考える」という自分なりの結論に行き着いたのです。

その結果、失敗したと思うところがあっても「家を建てる前(または建設中)にこれだけやって、それでも失敗するのだからそれはもう仕方ない」と思えています。 家を建てる前はイメージがわかなくて途中で投げ出したくなったとしても、面倒だと思ったとしても、納得できるまで考え抜く――これをしたことで自分自身を宥めることができている気がします。 情報収集は家づくりにおいて非常に重要で、その後の家づくりを大きく左右すると感じました。土地が決まって、それから具体的な情報収集をするのでは到底間に合わないので、これから家づくりを始める方は、家を建てることを決めたら、すぐに詳細な情報収集をすることをお勧めします。その時点ではただの妄想であったとしても、そうして集めた大量の情報は必ず役に立つと思います。

家づくりの期間は、貴重な時間だった

建てている最中は本当にてんやわんやで、忙しくて大変だという思いがどうしても先行してしまいがちですが、建った後に、はたと気づきました。「さてはこれは一生に一度の経験だったのではないか」と。 土地が決まってから引っ越しまでが5ヵ月強という猛スピードで、終わってしまえばほんの少しの時間だったという感覚になりました。 そんな短期間に、初めての経験を山ほどして、家に関する知識もそれなりに増え、賃貸住宅に住んでいた私たちが持ち家に住むようになる。バタバタした家づくりの期間がまるで夢か大昔のことのように思い返され、とても不思議な気持ちになりました。 家づくりの最中はバタバタで、そんな思いに浸る余裕もなかったので気づきませんでしたが、今思えば大変貴重でありがたい経験だったなと思います。 もしこの先また家をつくる機会があれば、こう思ったことを頭において作業ができたら、と思います。 家そのものも大事な財産ですが、家づくりの期間にした貴重な経験も、私にとっては立派な財産だと思っています。

「自分の家」という感覚

さて、そんな貴重な時間を経て建った家ですが、正直なところまだ「自分の家」という感覚がありません。3年も経ったのになぜかと考えたら、この家に引っ越してきてから妊娠・出産をし、上の娘は幼稚園に入園して…と、なんだか常に落ち着いていなかったからではないかな、と思います。 自分や娘の置かれている環境が次々に変わり、いつも慌ただしくしていたからではないでしょうか。いつも落ち着かないのは子育て世代あるあるですね。 ですので、家をあまり構ってあげられていないというか…。まだ引っ越しの時に適当に置いた時計がそのままになっていたりします。いや、これは性格でしょうか。とにかく、せっかくのマイホームをあまり大事に可愛がってあげられていないと思っています。 そうは言っても住んではいるわけで、インテリア雑貨を買ってみたり、気に入らないところをみつけては家に文句を言ってみたり、マイホームでの生活を楽しんでいます。 ふと、この家で娘たちの成長を見守りつつ自分は年を重ねていくんだな、と私と娘たちの将来を考えると、少し寂しい気持ちになったりもします。 ところで、夫婦で作り上げた家で子供が成長していくというのは、家族形成において素晴らしいことなのではないかと考えます。夫婦が考える「家族の在り方」が表現されているであろうこの家で子供が成長していけば、無意識にでもその考えを伝えていくことができるからです。家族が「家族」としてひとつの社会をつくる「家」という場所を思い通りにつくることができたのは、本当に良かったと思います。 この先何十年住むかはまだわからないですが、私たちなりに一生懸命建てたこの家を可愛がり、この家でたくさんの素晴らしい思い出を家族で作り上げていけたら、と思っています。

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